"Christian Rock(CCM)" とは? | (旧)喜怒音楽 -きど"おと"らく-

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2020年に引っ越しをしました。引っ越し先は最新記事からどうぞ。


ハイ、4/1の朝っぱらからおはようございます。

エイプリルフールだからって

そんなくっだらねぇことに乗っかるつもりはないですよ。

どうも、トトです。


そもそも夜勤中に調べながら書いて、

休憩もはさみつつ、こんな時間になってしまっただけなんだが笑

エイプリルフールなんかではなく、

今回は偉く"真面目"な記事なのです。


昨年9月に書いた【"EASYCORE"とは?】のラストでは

もう書けるジャンルなんてねーよー(ノД`)

なんて言いましたが、今年に入って

"Djent"とは?】や【"Girls"とは(海外/国内)?】と

意外と3件も書けてしまいました。

で、本年4つ目となるジャンル記事ですが
 

 
"Christian Rock (CCM)" とは?


です。

このテーマの記事にして

初めてそれっぽいこと取り上げますね笑

ジャンル上、取り扱うのが難しくはありますが

ちょっと頑張ってみます。



ことの発端は、よく見るメディアの情報から。

"クリスチャン・ハードコアバンド"の○○○が~
"クリスチャン・メタルコア"の○○○が~




宗教に疎く、そして無頓着、

言ってしまえば負のイメージを持つ人が多いとされる

ここ日本では滅多に見かけないジャンル、バンドですが

海外では、こういった宗教絡みのジャンルやバンドの名前は

割と見かけます。

しかし、とは言え自分も日本人。

こういうのって入れなきゃダメなの?
どうせメディアお得意の特徴付けなんでしょ?


なんて、軽い気持ちで捉えていました。

もちろん宗教が絡んできている以上、

そういったジャンルも、バンドも、意味がないとは思ってない。

"クリスチャン"だって言うくらいだ、

キリスト(教)信仰を歌詞やイメージとして曲に盛り込んでいる

ってのは、きっとオレでなくてもほとんどの人がわかるでしょう。

しかし、音楽を聴くこと・好きになるときの個人的な感覚として

"歌詞"より""に重きを置いてしまっている為に

どうしても歌詞に対する理解度が二の次三の次になってしまう。

まして洋楽が好きで聴いてはいるが、

何もせずとも英語が理解できるほど達者ではないので

"歌詞を理解する為に和訳するなら、音で判断した方が早い"

こういった部分が根底にあります。

国内盤リリースに伴い、和訳された歌詞カードが付いてくれば別だし

ライナーノーツとか読むの好きだから付いてたら有難いけど

最近は国内盤でも、(和訳)ライナーノーツどころか

和訳された歌詞カードすらも減ってきているワケで。

まして、こういったバンドに限って

国内盤すら出ないんじゃもうどうしようもない。

洋楽を好きで聴いてても、

自分と同じような感じの人って決して少なくないと思う。

しかし、今回取り上げる"クリスチャン"という

宗教が絡んだ音楽に対しては、

そういった"歌詞"を理解することでより深く

"Christian Rockとは?"ってのが初めてわかるようなものもある。


理解を深めるには

そもそも"キリスト教とは?"から知らなきゃだし

海外とは言え、アメリカに限定するなら

"アメリカでのキリスト教の歴史"も知らなきゃいけないが

さすがにそこまで行くと歴史の勉強になってしまうので

各自wiki等々で調べておくよーに←


で、

クリスチャン○○○って言っても
とどのつまりは、音的には○○○だろー


っていうツイートに反応をくれた方がいまして。

そういったことにもちゃんと意味はあるのだ、と

教えていただきました。


クリスチャンの人は、
クリスチャンミュージックしか聴かない人もいるから
そういった人たちへ向けてのアプローチという意味もある

敬虔なクリスチャンなアーティストほど
そういう歌詞を取り入れて
敬虔なクリスチャンから支持を得る構図

音楽をやる以上、共感を得る意図は必須であるから
そこをアーティストとリスナーで合致させる



と、いうことらしい。

これだけでも十分納得できるが、補足としてwikiでも調べてみた。

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クリスチャン・ロック】(wikipedia)

おもにキリスト教徒で構成されるバンドや
歌詞などがキリスト教に特化している音楽を指すが
イエス・キリストやキリスト教を讃えたフレーズやイメージを
どの程度取り入れるかどうかは、そのミュージシャンにより様々

ロック音楽はセックス、ドラッグ、悪魔主義などを好む傾向があり、
そのアンチテーゼとして作り出された。ジャンルは様々で、
HM、Punk Rock、Hardcore など多岐にわたるが、
それらを総合して『CCM』というジャンルに分ける場合が多い

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コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック(CCM)】(wikipedia)

キリスト教信仰に関係した事柄に歌詞に重点を置いた
ポピュラー音楽の分野である。

現在、クリスチャン・ミュージックの販売は
クラシック、ジャズ、ラテン音楽、ニュー・エイジ、
サウンドトラック音楽を引き継いでいる。

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大雑把に切り抜いてはみたが、こういうことらしい。

故に自分がよくメディアで見かけたような

"クリスチャン・メタルコア"や

"クリスチャン・ハードコア"なんかは

CCM』のカテゴリに含まれるのだと思う。

そういったバンドたちからしてみたら

敬虔なクリスチャンほど『ロックなんて!』という人もいるだろうから

オレらはクリスチャンだけど、
こういうバンド、こういう音楽やってるんだ。


っていうことを示したいんだと思う。

オレに教えてくれた人の言葉じゃないけど

それこそ、そういったキリスト教に反するような音楽やってるけど

歌詞やイメージに深くキリスト要素を入れ、
クリスチャンだけど、それに囚われない音楽もある


ってのを、クリスチャンでありバンドマンである彼らは

提示していきたいんだと思う。

きっと宗教に無頓着な日本人の想像なんて全く及ばないくらい

海外のそういった宗教問題人種問題って

めちゃくちゃ根は深いだろうからね。


こういった事実背景を知ったことで

あ、じゃあこれって思ってたよりずっとすごいことなんじゃね?

っていう出来事を思い出した。

それがコレ↓

グラミー賞2016にAugust Burns Red 等がノミネート
(ALTERNATIVE PRESS JAPAN)

受賞こそ逃したものの

クリスチャン・メタルコアとして知られる

August Burns Red がグラミー賞にノミネート。

トラブルに巻き込まれ、グラミー賞の

会場への到達法】も大きな話題となったABR

こういった誰しもが知る大きなアワードにおいて

一クリスチャンバンドがノミネートされるだけでも

とても大きな意味があるのではないかと改めて。


そして、ここから先は音楽に特化しよう。


クリスチャンバンド御用達のレーベルも存在していて

それがUSのTooth & Nail Records

 

後述するUnderoathMxPx 等を輩出したレーベルとして知られている。

過去現在含め、多くのクリスチャンバンドを抱える

キリスト教系レーベルの第一人者だろう。

所属バンドの大半はクリスチャンバンドだが、

そうでないバンドも在籍はしてるという。


では、肝心のバンドの紹介といこう。



 

Underoath (US, 1999-2013, 2015-)
クリスチャン・ハードコアの中では間違いなくトップクラス
クリスチャン要素を除いたとしても、
この手のバンドの中では絶大な人気を誇る
US産Screamo/Post HardcoreUnderoath
2013年に解散したものの、2015年には晴れて再結成。
バンドの代表作である5th『Define The Great Line』
ビルボードで2位、最終的に50万枚以上のセールスを誇り
ゴールドディスクも獲得している。

曲の歌詞は、どこか神秘的であったり、
人間が生きる上での寂しさや悲しみを歌うものが多い。
イエス・キリストの教えに基づき、同性愛の結婚やドラッグ等には
強く反対する姿勢を見せている。
Warped Tour 2006 では、そのことをNoFXFat Mike に茶化され
ツアーを途中で辞退したことも。

兎にも角にも、クリスチャンバンドを語る上では
外すことは出来ない絶対的な存在であることは間違いない。

Underoath
 -
Too Bright To See, Too Loud To Hear
 - When The Sun Sleeps
 - It's Dangerous Business Walking Out Your Front Door
 - Writing On The Walls
 - Desperate Times, Desperate Measures



 

MxPx (US, 1992-)
クリスチャンなのにパンク・ロックバンド!?
と、相反しそうな属性同士の見事な融合。
US産Punk RockMxPx

こちらも歌詞にクリスチャンたる部分が反映されている。
それだけでなく、親日家を思わせるところも多い。
ある写真では、Dr.Yuri が「極真魂」と
漢字でプリントされたTシャツを着ていたり。
日本でCM曲に使われた"The Broken Bones"
それをさらに【パンスプでのライブで披露】したりとか。
中でも有名なのは、THE BLUE HEARTSの"リンダ・リンダ"を
ちゃんと【日本語詞を交えてカバー】していること。

クリスチャンバンドとしてではなく、
そういった親日家バンドであることからも
広くオススメしたいバンドのひとつだ。

MxPX
 -
Grey Skies Turn Blue
 - Responsibility
 - Everything Sucks (When You're Gone)
 -  Far Away
 -  Aces Up
 -  Stay On Your Feet

 
 

August Burns Red (US, 2003-)
先述した今年のグラミー賞において、色んな意味で
大きな話題となったUS産Metalcore ABR
メタルコアが賑わいを見せた00年代バンドのひとつであり
今なお高い人気を誇っている。

このバンドもクリスチャンということをいかした
信仰心の強い歌詞が特徴。
クリスチャンバンドというだけでなく、
メタルコアバンドとしても高い評価と人気を獲得している。

アルバムのリリースも
最新作である『Found In Far Away Places』は
大手Fearless Records からリリースしたが
それまでは、Tooth & Nail Records 傘下の
Solid State Records からリリースしていた。

August Burns Red
 -
Meddler
 - Empire
 - Fault Line
 - Identity
 - Gosts Feat. Jeremy McKinnon



 

As I Lay Dying (US, 2011-2014)
こちらも2001年から活躍する
US産Metalcore AILD
クリスチャンバンドというより、
メタルコアバンドとしての地位を確立している。
それというのも、
メンバーは全員が実践的なクリスチャンでありつつも
歌詞にはキリスト教的なテーマや単語を扱っていないことによる。
その点は、他に羅列するバンドと大きく異なる点だろう。
リリース元となるレーベルも
T&N、SSRではなく、Metal Brade Records からリリースしていた。

バンドとしても、vo.Tim が別居中の妻に殺人依頼をしたとし
殺人教唆罪で逮捕された。
これは身分を偽装して近づいた捜査員に対して行った依頼で
実際には未遂に終わり、妻も無事である。
Tim は無罪を主張するも、弁護士の言及もあり、
無罪主張を取り下げ、判決は実刑6年と確定した。
以来、バンドは無期限活動休止状態となり
残ったメンバーは新たにボーカルを迎え、
別のバンドとして活動を再開している。

As I Lay Dying
 -
Through Struggle
 - Forever
 - Parallels
 - Electric Eye
 - A Greater Foundation



 

The Devil Wears Prada (US, 2005-)
00年代中期に差し掛かるころに姿を現した
先駆者のUnderoath に強く影響を受けた
次世代のクリスチャン・メタルコア TDWP
たまたま自分の好きなバンドの傾向なのか
クリスチャンでも意外と激しいバンドが多い。

キーボードを取り入れたことでシンフォニック
シアトリカルな部分もあるのが特徴か。
Underoath + The Used 的な。
しかし、曲によってはかなりメタル感が強く、
アグレッシブな曲も多い。
名もそこそこ売れているが、他のバンドのように
クリスチャンであるってことをメディアであまり見かけないのは
他バンドに比べ、そういった要素は薄いのか?
所属レーベルもRise Records ってのが印象強いしな。

とはいえ、こちらも良バンドなのは確か。
Underoath 以降のクリスチャンバンドとしては
十分に成功を収めていると言えるだろう。

The Devil Wears Prada
 -
Hey John, What's Your Name Again?
 - Born To Lose
 - Sailor's Prayer
 - War
 - Alien



 

Flyleaf (US, 2000-)
再びクリスチャンであることがかなり自身の音楽に
影響を与えていると語る
US産Alternative Rock/MetalFlyleaf

メンバーは全員クリスチャンではあるが、
キリスト教バンドとして厳しく律しているワケではないという。
vo.Lacey
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 
あなたがキリスト教徒であるならば、
それはあなたの人生すべてに影響を及ぼします。
あなたが配管工であるならば、それは、
あなたをクリスチャンの配管工にしますか?』

というP.O.D.というバンドの言葉を思い出します。

私は、それに対する答えを知りません。
我々はバンドであって、それは我々が誰であるかという部分で、
我々の音楽にも影響するでしょう。
そして、我々が音楽をやる上でのエネルギー源にもなります。
信仰を得て、私の人生は救われました。
そして、私はそれを全く恥じていません。
そして、大部分の我々のアルバムは、信仰を反映しています。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 
と、語っている。
それは歌詞やアルバムの内容だけでなく、
MVの演出にも表れているものもあると思う。

ただ、冒頭にリンクを貼った『"Girls"とは?』の記事で書いた通り
バンドとして、公式に休止・解散の発表はないものの
vo.Lacey は脱退しており、
2012年に3枚目のアルバムをリリースして以降
目立った動きはない。

Flyleaf
 - 
All Around Me
 - Again
 - Chasm
 - Call You Out
 - Thread



 

Anberlin (US, 2002-2014)
クリスチャン・オルタナティブロックとして一躍名を馳せた
US産のAnberlin
残念ながら2014年に解散してしまっている。
7枚のアルバムをリリースしており、その内
1st~3rd、そして7枚目のラストアルバムを
Tooth & Nail Records からリリースしている。

クリスチャンであることを言及しているメディア記事は少ないが
メタリックなリフと、を連想させる
寂しさ侘しさを感じさせるような楽曲が多い。
vo.Stephen の歌声もそういったエモーショナルさを後押しする。
しかし、彼らもまた紛れもないクリスチャンであり
キリスト教のミュージックフェスティバルに出場したり、
クリスチャンロックのコンピ盤に曲を提供したりもしている。

Anberlin
 - 
Paperthin Hymn
 - Feel Good Drag
 - Impossible
 - Unstable
 - Dead American


最後に何てことない余談だが

もちろん自分で選んだってのもあるが

今回載せたバンドたちの写真を見れもらえばわかるが

クリスチャンバンドの写真はモノクロが非常に多かった。

そういった部分も、何か関係しているのかもしれない。





という感じで書いてみた。

やはり宗教絡みだと記事書くのもなかなかに骨が折れる。

しかし、先のTwitterの一件で

自分もまだまだ無知であることを改めて実感はしたし、

自分の考えや、教えてもらってことを整理する為にも

この記事は"書きたい"と思ったから書いた。


途中でも言ったが、

クリスチャンって割に、結構激しいバンドが多かった。

それは単に、自分が好きで聴いてたバンドが

クリスチャンだってことを知らなかっただけなのかもしれないが。

あまり得意じゃないので羅列はしなかったが

CopelandMae あたりだったら、

なるほどなぁってすぐに納得できるような

綺麗な音楽してるバンドだっている。

もちろんその2バンドもクリスチャンバンドだ。

同じクリスチャンの人からしてみれば

やっぱりここに挙げたような激しい音楽で

こんなクリスチャンなんて!』って思う人もいるかもしれない。

でも、同じクリスチャンだとしても

見えてる景色や、信仰心の程度それにより何ができるか

ってのは、各人で違うんだと思う。 それこそ

クリスチャンでもこういう音楽をやってて
"ミュージシャン"として、同じクリスチャンの仲間にも
色んな音楽を聴いてほしい


って思いでバンドをやってる人間もいるかもしれない。

むしろそういった思いの方が素敵じゃねぇか、

と、個人的には思うけどな。

クリスチャンである"一般人"と

クリスチャンである"ミュージシャン"では

そういった部分で相違があっても不思議じゃないだろうしね。

大前提として、クリスチャンである前に"一人の人間"なんだし。

まぁ、無信仰である自分が言っても何の説得力もないだろうが。


以上、予想以上に長くなってしまいましたが

"Christian Rock(CCM)" とは?

でした。