Cobain – Montage of Heck | (旧)喜怒音楽 -きど"おと"らく-

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2020年に引っ越しをしました。引っ越し先は最新記事からどうぞ。

2、3日前から

Facebook上で外国人、海外バンドのプロフ画

果てはそれに便乗した日本人アカウントですら

こぞってになって何事かと思った。

何かと思ったら、アメリカでの同性婚が合法化したようで。

『虹』は全ての多様性、自由の象徴である

らしいです。

それを受けてのオール虹化。

自分の好きな海外のバンドマンや俳優が亡くなるならまだしも

生粋の日本人が亡くなって

ご冥福をお祈り致します

じゃなくて

R.I.P. ~』と言ってるのを見るほどに

虹化してる日本人に違和感がありますが…

まぁ、世界を牽引する国家アメリカ様の吉報なので

米国以外でもお祝いムードになるのも良いでしょう。

日本人で同性婚を望むなら、アメリカ国籍get待ったなしやね。


と、本日は

音楽と関係ないようである映画作品を観てきました。

カメラマン兼 地下室TIMESライター

愛しのさやP← が絶賛

ロック好き、特にバンドマンは絶対に観ろ!

とのお達しがあった


Cobain – Montage of Heck

を観に、近場の映画館新宿バルト9まで足を運んだ次第だ。

以前、アメンリカン・スナイパー記事を書いた時にも言ったが

今は音楽一辺倒だが

元より映画は好きで、音楽漬けの前はちょくちょく観に行っていた。

しかし

バルト9で映画を観るのは初。

それまで、わざわざバルト9来るほど

公開劇場に悩んでいなかったからだ。


チケットカウンターのあるフロアに着くや否や


超大型巨人に迎えられた。

Nirvana、カート・コバーンがいくら日本での知名度があれど

時の人

どうせ大半は進撃みにきてんダロ

と思ったが、公開劇場と1日の放映回数の少なさからか

放映1時間前にも関わらず、モンタージュ~の座席は

7~8割が埋まっていた。

危うく前列で首を痛めながら見るところだ。


時間もあるので

Nevermind』を聴きながら

今一度、さやPの地下室記事を読み↓

ロック好きは全員観ろ!カート・コバーン新映画

wikiでカートの項目を読み、

本記事の冒頭部分をぽちぽち打ちながら時間が過ぎるのを待った。



そして本編


ここまで書いておいてアレだが

オレは別にNirvana が好きでもなければ

別段カートに思い入れがあるワケでもない。

MWAMがSmells Like Teen Sprit のカバーをしてたのがキッカケで知ったという

ただの情弱だ。

オルタナティブロックはまだしも、

グランジなんて全然わからん。

観劇前の行為も、所詮は付け焼き刃に過ぎない。







元来、ネタバレは許さん!

などという人間ではないからかもしれんが

映画だろうが、ライブだろうが

自分が書くのは常にネタバレ全開だ。

今まさに見てきた、聴いてきた、

体験してきた物凄い熱を持った直後なのに

それを隠して伝える、文字に起こすなど

オレにはできんので。

ネタバレが嫌な人は

回れ右して、観終わってから改めて読み進めることをオススメする。











のっけから、幼少期のめっちゃかわいいカートに打ちのめされる←

そして家族関係に、交友関係に悩み、ドラッグに手を染めた青春時代

そこからバンドを始めて、

Nevermindリリース後の異常なほどのスターダムへのかけ登り感

小箱、大会場問わず、ライブ映像の圧倒的なライブ感には

全身に鳥肌立ちまくり

あのモッシュピットに混ざりたくなった。


カートの描いた絵を動かしたアニメーション

ちゃんとした作家が作った若き日のカートの出来事を綴ったアニメーションも

すごく良い出来だった。

カートの絵なんか間違いなく静止画なのに、

こういった形で、動かすとこんなにも良くなるのか。


Smells~のアレンジも作中では様々だった。

アコースティックから、聖歌隊を思わせる合唱まで

もちろん他の曲もだが、自分はまだしも

Nirvana が好きな人にとっては、この作中のBGMだけで満足できるんじゃないだろうか。


個人的にかなり好みだったのコートニーのむちむちボディ

カート、Nirvana、そしてコートニーに対する

マスコミの過剰とも取れるバッシング記事

事実にしても、表現が目に余る。

マスゴミってのはどこの国も変わらないんだなと改めて実感。

それに過敏に反応し、苦悩するカート…

そんな記事とは裏腹に、愛に溢れまくっていた

カート、コートニー、フランシスの家族愛

本編の半分、いや少なくとも1/3は、そういった家族愛が描かれていた。


エンドロールでは再びSmells ~が使われ

最後の最後、バンドサウンドがフェードアウトしていき

カートのアカペラは再び鳥肌。


エンドロール後には

円盤化したら、特典映像になりそうな

ディレクターのインタビュー映像が。

ここまでが本編で、本当にここまで見て初めて完結できる作品だと感じた。

テーマは"家族"

遺品を見て、カートのことがわかった気がした、と。

カートと正面から向き合ったからこの作品ができた、と。

そして最大の要因は、クリスやデイブが制作に加わるでもなく

ましてコートニーでもなく(コートニーはむしろ資料全開で自由に使ってくれと言った)

フランシスが携わっていたこと。

ファンやマスコミ含め、カートに関わった人たちは皆

フランシスに負い目を感じているからだ、

逆にそれが制作をスムーズにさせた。

クリスやデイブ、コートニーが関わっていたら

何かしらの妨害にあっただろう、と。

そういった制作に関する裏話的なものも全て語ってくれた。

"Montage of Heck" というのが

カートの遺品にあった、未発表曲のタイトルだったということも。

今作に限らず、"エンドロール後"の有無に関わらず

エンドロールで帰るやつは阿呆だと思ってるが

今作は尚更、エンドロールで帰っちゃダメだ




思い入れがどうとか

グランジが、オルタナティブがどうとか

全く関係なかった。

確かにNirvanaの、というかカートの

門外不出だった半生をありのままに綴った作品ではあるけど

ディレクターが言っていた『家族(愛)』をテーマとした

Kurt Cobain という、一人の人間の

良い部分も、悪い部分も、惜し気もなくすべて描いた

ヒューマンドキュメンタリー
とさえ取れる。

それほどに

ひとつの"映画(映像)作品"としても秀逸だった。


観る前の段階でカートやNirvana に思い入れなど…

と書いた通り、特定のバンド、特定の人物だということではなく

一人の人間を描いたものとして観よう

と、思っていて正解だった。

というか、元々そういう作品だった。

と、Nirvana も知らず、カートも知らない自分が言うのだから

きっと、イチ映画好きとしても楽しめる作品だと思う。


しかし、さやPの言うように

ロックが好きなら、ましてバンドマンなら

絶対に観ろ!

と、そっくりそのまま言いたくなるのも納得だ。


観終わった後、それが秀逸であれば

パンフレットを買うようにしているが

今作にパンフレットはなかった。

というか、おそらく

パンフレットにするようなものはないからだと思った。

映画の中で全て語られている

だからパンフレットはないんだと思った。




最初はそこまで乗り気はしなかった。

でも、観終わった後の気持ちは

『観て良かった』

これに尽きる。

jこの作品のことを教えてくれた、観に行けとけしかけてくれた

さやPに感謝したい。

一律\2,200

一般料金、果ては3D映画よりも割高な値段であったが

それに見合った価値は、十二分にあったと感じた。


本国では1週間限定上映

日本でもそうなのかどうかは定かではないが

ライブが好きなら

ロックが好きなら

バンドやってるなら

絶対に観ろ!