ゆで卵をよくつくる。茹で終わった後に卵をどうするかというと流水につける。しばらく流水に浸けておくとゆで卵は剥きやすくなる。なぜかというと、中の卵が冷たさで締まって縮んでいる。そうすると卵と殻の間に空間ができて、とても剥きやすくなる。これが高梨沙羅選手のルール違反につながったのではないかと考えていた。
私たちの身体も寒さにさらされると縮こまってしまうことがある。その寒さを避けるために、背中を丸めたり、ポケットに手を突っ込んだり、前屈みになって歩いていく。その寒さがマイナス10℃以下になれば、縮こまりは半端ではないだろう。そんな中での競技となったことになる。
高梨選手の状態としても、ノーマルヒルでメダルに届かず、落胆の中での団体混合ジャンプになったであろう。その間に食が進んでいたのかどうかは分からないが、もし食も進まず、あの寒さの中に立ち尽くしていれば身体も縮こまったのではないかと想像してしまう。そんな状況でのルール違反になったのではないかと想定する。
もちろん、この違反は日本チームのスタッフの責任になる。決して高梨選手の責任ではない。選手は飛ぶことだけに集中し、ワックスや板の調子、どのスーツを着るのかもスタッフが決めることになるだろう。高梨選手は飛んだ。それも集中して飛んだ。それは高梨選手が自分のパフォーマンスを発揮したことは間違いないことを示している。そこでの違反はスタッフの責任になることも間違いない。
マイナス10℃以下の天候にさらされたときに、ヒトの身体はどれぐらい収縮するのかについては、スポーツ科学や医学の研究になるだろう。その道の方々に確証をお願いしたいものだ。もちろん今回の経験がスポーツ科学に、ジャンプ競技に教訓を与えたことになるだろう。
にもかかわらず、高梨沙羅選手は一人で責任を背負って、オリンピックを後にしたことが不憫でならない。