最後の食事 | かのっちのブログ

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エッセイのように、散文のように

 食べることをテーマとした時に、よく出てくるのが「最後の食事に何が食べたい?」である。

 最後の食事。私が考えるのは、「芋煮」と「ばあちゃんの茶碗蒸し」だ。

 芋煮は言わずも知れた山形の郷土料理。晩夏から秋まで芋煮会を最上川の河川敷でやったものである。材料を持ち寄って、河原の石を積み上げて、薪で火を起こして、ワイワイしながら作ったものである。もちろん家でも何度となく作って食べていた。この時期になると「何食べたい?」「芋煮」というのが定番だったように思う。あの香り、里芋の柔らかさ、あったまる感じ、しあわせになる。芋煮は最後の食事には絶対必要である。

 もう一つは、亡くなったばあちゃんが作ってくれた茶碗蒸しが食べたい。ばあちゃんはいつもうどん丼ぶりぐらいの器に茶碗蒸しを作ってくれた。それが嬉しくて嬉しくて、喜んで食べた。初めはスプーンでパクパク食べ、次にご飯の上にかけて食べて、最後に残った分をまた食べる。大満足だった。大学3年の時に亡くなったばあちゃん。もう一度、茶碗蒸し食べたいなあ。

 定食を頼んだときに、小ぢんまりした茶碗蒸しが添えられていると、今もご飯にかけて食べるのが習慣になっている。たまらない。

 芋煮はこの時期になると、自分で作って食べている。味はあのころと変わらないと思っている。けど、ばあちゃんの茶碗蒸しはもう出てこない。時々、タイムスリップしたくなる。