J公園の想い出
あれはまだ私が小学校1年生の頃だったろうか。
親に京都のJ公園に休日に
連れて行ってもらったことがある。
J公園は小さめの自然公園といった趣きで
ジャングルジムのような複合型遊戯のけっこう大きなのがあった。
今から思うとなんてことのない公園なんだけど、
両親が共働きで、めったに遊びに連れて
行ってもらったことがなかった当時の私としては
とにかく楽しかったのだ。
それから1年か2年経った頃だろうか。
母親は再び私をその公演に連れて行ってくれた。
きっとあれから何度もねだっていたのであろう。
「楽しかった」という記憶ばかりが鮮烈に残っていた私は
念願が叶って大はしゃぎであったと思う。
とろこが、だ。
そこの遊具施設は、小学校2年か3年になった私には
既にさほど楽しいものではなくなっていたのだ。
そんなハズはない、と思った。
ここはもっと楽しいハズなのに。
そして私は
「前回はあんなに喜んでいたし、
今回も楽しんでくれるに違いない」
という母親の期待を感じていた。
自分が楽しまなきゃ、
せっかく連れて来てくれた母親をガッカリさせてしまう。
楽しい気持ちにならなきゃと思ったんだけど、
そう思っていること自体がもう哀しくて、
哀しいのに楽しいフリをしないといけないってのが初めてで
胸が締め付けられるようだった。
それ以降、J公園に連れて行ってもらった記憶はない。
母親も私の気持ちに気づいたのだろう。
あの時、私は思ったのだった
「大人になるのって、悲しいな」
と。自分が小さいままなら、
母を落胆させることもなかったのに。
大人になったら親を悲しませてしまうんだな、と。
そしてその時の悟りの通りに
大人になるにつれてより親を悲しませてる今の私が
いるって寸法だコレが