丹田呼吸の科学と実践(Science and Practice of Tanden(Dantian) Breathing) -9ページ目

丹田呼吸の科学と実践(Science and Practice of Tanden(Dantian) Breathing)

産婦人科医の久保田武美と申します。
大病をきっかけに呼吸法の研究を始めました。
その中で、逆腹式呼吸という素晴らしい呼吸法に出会いました。
数々の実験を通して呼吸法を科学的に分析し、
その効果・活用方法を説明してゆきたいと思っております。

今回は逆腹式呼吸の、横隔膜の動きについてお話しいたします。
 
テレビの情報番組で
「大きく横隔膜が動くのがいい呼吸です」
というような言葉を耳にします。
 
しかし、私はこの内容に違和感を感じました。
私の実験では、
逆腹式呼吸をする時、横隔膜の動きは
普通の呼吸より小さくなりました。
逆腹式呼吸は運動や歌に適した呼吸です。
また胸を大きく広げて沢山息を吸う胸式呼吸でも
横隔膜の動きは小さくなりました。

横隔膜の動きは
大きく動けばいいわけではなく、
TPO(時と所と場合)で使い分けるべきなのです。
 
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それでは、私の実験結果をご紹介します。
次のグラフは、呼吸様式別の横隔膜の動きを
超音波で観察したものです。
息を思いっきり吸った位置を
ゼロとして表現しました。
 
 
逆腹式呼吸の横隔膜の動きは、
あまり大きくありません。
ブレーキがかかっているのです。

そして、このブレーキがかかっている時、
横隔膜は筋収縮していました。
下のグラフは、横隔膜の筋電図です。
 
<普通の呼吸の横隔膜筋電図>
 
<逆腹式呼吸長息の横隔膜筋電図>
 
 
筋電図で見ると、
横隔膜の収縮は、逆腹式呼吸の方が
普通の呼吸より強くなっていました。
 
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ところで、皆さんは横隔膜の筋電図をご存じでしたでしょうか?
恐らく、ほとんどの方は初めてご覧になったのではないかと思います。
このグラフは、元々人工呼吸が必要な新生児の呼吸管理に使われていた医療機器を使用しました。
鼻腔より食道内に電極を挿入して実験します。
詳細は書籍を御覧ください。