丹田呼吸の科学と実践(Science and Practice of Tanden(Dantian) Breathing) -7ページ目

丹田呼吸の科学と実践(Science and Practice of Tanden(Dantian) Breathing)

産婦人科医の久保田武美と申します。
大病をきっかけに呼吸法の研究を始めました。
その中で、逆腹式呼吸という素晴らしい呼吸法に出会いました。
数々の実験を通して呼吸法を科学的に分析し、
その効果・活用方法を説明してゆきたいと思っております。

今回は逆腹式呼吸における

多裂筋と腹圧の関係についてお話しいたします。

私は丹田呼吸の研究のために
ピラティスを習いに行きました。

ピラティスの呼吸は胸式呼吸
という表現をよく耳にします。
胸を大きく広げて息を吸うからのようです。

しかし実際に教えてもらうと

「吐き方」も重要で
しっかり胸を閉じ

横隔膜を収縮しながら上昇させて
腹圧を上げながら吐くという
まさに

私が研究している逆腹式呼吸そのものでした。

私はさらに興味がわいてきて、
ここで出会った女性インストラクターさん達に
腹圧実験の協力をお願いしました。
その実験結果を次に示します。

ゼロmmHgを大気圧として表現しました。

実験には狐崎晶雄博士作成の簡易腹圧計を使用しました。

 

私たちは、この実験で面白い発見をしました。

腰椎が前湾すると腹圧が上がり、-__
腰椎が後湾すると腹圧が下がりました。

腰椎が前湾する時、多裂筋は収縮します。
腰椎が後湾する時、多裂筋は緩みます。-


この結果を考察するために少し話を移します。

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皆さんは

パワーハウスという言葉をご存じでしょうか?
ピラティスの創設者

ジョセフ・ピラティス氏が名付けた言葉です。

腹部から骨盤にかけての

身体の中心部分を意味し
美しい姿勢を保ち、
正しい身体の動きをするために
大切なものと位置づけられています。

このパワーハウスを構成する筋肉は
①横隔膜(屋根)__
②腹横筋(壁)___
③多裂筋(柱)___
④骨盤底筋群(床)_
の主に4つと言われています。


 

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今回の考察では

①横隔膜②腹横筋④骨盤底筋群

は収縮させたまま
③の多裂筋だけが緩む部分(グラフの赤丸の部分)

に着目しました。

 

腹圧は

①②③④全ての筋肉が収縮すると上がります。

ピラティスポーズの腹圧は

③多裂筋次第で上下しているようです。

 

今回は主に

仰臥位、座位でのポーズで実験しました。

立位のポーズでは

腰椎の後湾が難しいため

今回のような腹圧推移の観察はできなかったかもしれません。



最後にインストラクターさんに

自由にポーズをとってもらって腹圧を測定しました。


美しい姿勢やポーズも

様々な筋肉収縮や腹圧で作られます。

筋肉も腹圧もTPOが大切なようです。

みなさんの検討を期待しています。

 

 

ちなみに、ピラティス呼吸は

トレーニングのための呼吸です。

日常生活で使う呼吸ではありません。