また今回も少し基本に戻り
逆腹式呼吸の種類についてお話いたします。
そもそも
逆腹式呼吸とはどういう呼吸でしょう?
まずは
逆腹式呼吸の定義について復習しましょう。
調和道2代目会長の村木医師は
著書「丹田呼吸健康法」の中で
次のように述べています。
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丹田呼吸とは、腹圧がかかる呼吸のことで
以下の2種類ある。
①逆腹式呼吸: 呼気時に腹圧がかかる呼吸
②腹式呼吸:吸気時に腹圧がかかる呼吸
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しかし、
一口に「 呼気時に腹圧がかかる呼吸」と言っても
いろいろな種類があります。
それぞれの特徴を理解した上で使いこなせば
呼吸法はさらに威力を発揮するでしょう。

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そこで
逆腹式呼吸を分類してみることにしました。
組合せを考えると無数にありますが、
「呼気の長さ」
「腹圧持続時間」
「使用する筋肉」
という視点から分類してみました。
☆〓 まずは呼気の長さについて 〓☆
逆腹式呼吸には短息と長息があります。
呼吸と腹圧のグラフイメージは以下のようになります。
秒数には決まりはありません。
① ━━ 短息 ━━☆彡
剣道の素振りや野球のバッティング
テニスや野球・ゴルフのスウィングなど
短い息を吐きます。
これを短息といいます。
一気に呼気筋を収縮させて
腹圧を上げることで
強い力を発揮できます。
② ━━ 長息 ━━☆彡
一方、歌やお経など
息を長く吐き続けます。
これを長息といいます。
内肋間筋⇒内外腹斜筋の順に
少しずつ呼気筋を収縮させて
腹圧を保ったまま
少しずつ息を吐くことで
長時間吐き続けることができます。

☆〓 次は腹圧持続時間について 〓☆
逆腹式呼吸の吸気は
特に呼吸様式が決まっていません。
「胸式」「胸腹式」「腹式」の吸気と
「逆腹式」の呼気を組み合わせた
この3パターンの使用例をあげてみます。
① ━━ a.胸式吸気+逆腹式呼気 ━━☆彡
( 間歇腹圧型 )
腹圧の変化が一番大きな呼吸法です。
肺からのの吸い上げ効果で
吸気時に腹圧が低下し
呼気時との腹圧差で
静脈還流の改善が期待できます。
呼吸法のトレーニングなどで使用します。
ちなみに私は
心筋梗塞の既往があります。
その前兆である狭心症が起こりそうな時
この呼吸を行います。
② ━━ b.胸腹式吸気+逆腹式呼気 ━━☆彡
( 間歇腹圧型 )
この呼吸も腹圧の上下動がありますが
aよりも腹圧の変化が小さくなります。
山登りや重い荷物を持って歩く時
自然にこの呼吸になります。
息を吐いて腹圧を上げることで
重い荷物を持ったままでも
1歩踏み出すことができるのでしょう。

③ ━━ c.腹式吸気+逆腹式呼気 ━━☆彡
( 持続腹圧 )
この呼吸は
腹圧がかかったまま
呼吸を繰り返すことができるため
持続腹圧呼吸と呼びます。
腹圧も重心も安定するので
相撲や日舞など
安定感が重要なスポーツで使えます。
ちなみに、
西郷隆盛や侍も
この呼吸をしていたと想像できます。
☆〓 最後は使用する筋肉について 〓☆
逆腹式呼吸にはお腹の形が2種類あります。
私は吐く時に使う筋肉によって
「ヒサゴ腹型」と「筋トレ型」
に分類しました。
これは私独自の分類です。
① ━━ ヒサゴ腹型 ━━☆彡
(吐く時に内肋間筋だけを使う)
内肋間筋を使うと胸郭が縮み
下腹が出て見えるため
ヒサゴ腹型逆腹式呼吸と呼びます。

腹圧はかかりますが、
上半身の力が抜けるため
しなやかな動きができます。
使用例としては
スキーにスケート・バレエ・舞踏など
② ━━ 筋トレ型 ━━☆彡
(吐く時に内肋間筋だけでなく
外腹斜筋・内腹斜筋も使う)
ヒサゴ腹で出てきたお腹を
外腹斜筋・内腹斜筋でおさえます。

しなやかさはなくなりますが
その分身体が固定でき
さらに強い力を発揮します。
ウエイトリフテングや
バレエで持ち上げられる女性
ロングブレスダイエットなどもこれに当たります。

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少し横道にそれますが、
私たちの生活で役に立つ呼吸は
逆腹式呼吸だけではありません。
リラックスしたい時には
吐く時に横隔膜を弛緩する
腹圧を下げたまま呼吸ができる胸式呼吸は
尿意を我慢したい時や
切迫流産などに役立ちます。
知り合いのヨガインストラクターは
切迫流産でお腹が痛くなった時に
胸式呼吸をすると落ち着けたそうです。
※補足
赤ん坊がお腹の中から出てくる娩出力は
主として腹圧と陣痛からなります。
この場合、腹圧が軽減されたことで
痛みが治まったと思われます。
また、頻尿に悩む別の友人は
朝の通勤電車で胸式呼吸をすると
途中で尿意を催さずにすむようになったと
報告してくれました。
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いかがでしたでしょうか?
私たちは呼吸様式の特徴を知るだけで
より快適な生活を送ることができます。
医学や医療の分野でも
さまざまな呼吸が出てきます。
しかしそれは
病気の人を治すための呼吸です。
私が研究しているのは
人々がより快適に
そしてより質の高い人生を過ごすための
呼吸法です。








