丹田呼吸の科学と実践(Science and Practice of Tanden(Dantian) Breathing) -12ページ目

丹田呼吸の科学と実践(Science and Practice of Tanden(Dantian) Breathing)

産婦人科医の久保田武美と申します。
大病をきっかけに呼吸法の研究を始めました。
その中で、逆腹式呼吸という素晴らしい呼吸法に出会いました。
数々の実験を通して呼吸法を科学的に分析し、
その効果・活用方法を説明してゆきたいと思っております。

今回はまず逆腹式呼吸の効果の中で
最も大切な腹圧についてお話しいたします。
 
腹圧が上がれば
人間の身体の中で最も不安定な
腹部を安定させることができます。
身体が安定すれば、運動能力も発声能力も向上します。
 
 
 
では、どうして逆腹式呼吸で腹圧が上がるのでしょう。
下の図を見てください。
 

腹腔を取り囲んでいる筋肉の中で最も内側は
・腹横筋
・多裂筋
・骨盤底筋群
・横隔膜
などです。
私の実験では、この4つの筋肉が同時に収縮する時に、最も腹圧が上がりました。
 
この中で、横隔膜以外は抗重力筋で
立っているだけで勝手に収縮します。
立っている時、緩むことができるのは横隔膜だけです。

一方、普通の呼吸の横隔膜は、
息を吸う時に収縮して下がり
吐く時に弛緩して上がります。
 
動いたり、力を入れたり、歌ったり
私たちは何かする時に息を吐きます。
しかし、その大事な時に横隔膜は弛緩して腹圧が下ってしまうのです。

逆腹式呼吸は、吐く時に腹圧がかかる呼吸法です。
 
 
「逆腹式呼吸」は、腹圧で体幹を安定させて、
華奢な日本人でも大きな力を発揮できる、
昔の労働者が使っていた日本生まれの呼吸法です。
私は、この呼吸法で日本人がオリンピックで活躍すること願っています。
 
次回は逆腹式呼吸の重心移動についてお話ししたいと思います。