「たくさんあっても邪魔にならないもの」
「たくさんあっても困らないのも」
と聞くと、
あなたは何を思い浮かべますか?
私は「お金」を思い浮かべます。
お金が沢山あると、
買えるモノやできるコトが
増えます。
それに別に手元で保管
するわけでもなく 、
銀行の講座に預けておくので
邪魔にもなりません。
むしろたくさん欲しい、
と常々思っています。
あなたも同じように
思ったりはしませんか?
ところが中世の日本では
お金は
「たくさんあると明らかに邪魔」
になるものでした。
その理由は
①お金(通貨)の種類がひとつしかなかった
②お金を預けられる所が限られていた
からです。
今回はこの内の①についてとなります。
(②についてはまた別のブログをご覧ください )
中世の日本で通貨として
使われていたのは、
写真のような銅銭のみでした。
金や銀の小判が出て来るのは
戦国時代以降になります。
この銅銭ですが、
今の価値に換算すると大体
1枚=100円
として使われていました。
(本当は時代や地域でばらつきがあります)
現代で例えると、
全ての買い物を100円玉のみでしていた
という事になります。
1,000円のモノを買う時は
銅銭10枚で済みます。
ですが、
1万円のモノを買いたい時は
銅銭が100枚も 、
10万円ともなると1,000枚も
必要になったわけです。
↑銅銭10万円分(1,000枚)
ちなみに、銅銭1枚の重さは
約3.5グラム。
(これもばらつきがあります)
1万円のモノを買う時は350グラム
(≒350㎖のペットボトル1本分) 、
10万円の時は3.5キログラム
(≒2ℓと1.5ℓのペットボトル合計分)
の銅銭を持ち歩かないといけなかった
ことになります。
当然、
100万円のお金のやり取りとなると
かなり大変になります。
銅銭1万枚、重さ35キログラム。
もはやこうなると、手に持って歩けません。
↑銅銭50万円分(5,000枚)
そのため荷車に乗せて運んだようです。
このように中世の日本では
高額なやり取りになると
「お金」は
かさばって
重くなる
めんどうなモノ
だったのです。