『また出たか』と思ったおなじみの『飲むだけで楽してヤセル、ダイエット食品』の取り締まりの記事に接し、消費者ニーズのブレの無さに改めて納得することしきりである。一週間で5Kg位ヤセルそうであるが、あながち非現実的な数値ではない。私も何回か1週間で5Kg位やせたことがある。ただし当時は(二十歳代の頃)重症の気管支喘息発作にたびたび襲われて、食欲もなく発作は夜に酷くなるので眠ることも満足でなく、気管支拡張のためベータ刺激剤かフォスフォジエステラーゼ阻害剤という細胞内の代謝を活発化する薬を飲むので余計に食欲がなくなり、心臓も速く打つので何もしなくともあっさりとヤセルのである。つまり、周りに食べ物があっても特に我慢することもなくヤセラレルと言う時は、その人の置かれているのはロクな状態ではない。病気又は、喰い気以上に重大なことが(例えば目の前にトラがうなっているとか)進行しているのである。
ヤセル事に金、地位、名声の懸かっているモデル、女優などのプロは別として、自己満足以上の自分に対する報酬の期待できないアマチュアのヒトたちは、食欲(欲求不満)に抵抗するモチベーションの維持はとても難しい。だから『楽してヤセラレル』と言われればつい買って見たくなる訳である。世の中そう甘くは無いのである。とはいっても、身もふたも無い話になりそうなので、秘伝を一つ。
「味付けのしてない干し肉、充分干したリンゴ、干しイモ」などを毎食前に良く噛んで、良く噛んで食べればカロリー制限した食事でもある程度耐えられる。もちろん当人の堪え性によるわけで、結果は数値で現われる。運動でヤセようとは思わないほうがいい(お腹が空いて食べ過ぎる)。特に水泳は止めた方がいい。かば、トド、セイウチ等いずれもしょっちゅう水泳をしている動物である。但し、足の関節などを痛めた場合の運動としては適当なので念のため。
 もっと痩せたいという方は多くいらっしゃいますが、日本では痩せないと病気が悪化するとか、日常生活に支障をきたすとかの肥満症、その予備軍といった向きは欧米、中南米に比べればほんの僅かです。痩せたいという人の殆どが、見た目の改善を目的としています。従って、見た目の改善に半ば命を懸けている結婚適齢期までの女性と、生物学的な目標を達成した後の世代とではそのモチベイションの高さにおいて雲泥の差があると思わなければなりません。しかし、健康上の理由から体重の管理を心掛ければならないのは、それからなのです。でもその頃になると諦めも早い。長い人生経験で身につけた生活の知恵「諦め」です。 ①:太る体質だから、お母さんもあんなに太っていたし②:私は水を飲んでも太るんです③:これを食べたら明日から痩せよう④:太っていて誰かに迷惑をかけたか等々 いずれも、入院して外界の食べ物から一定期間隔離して、低カロリーの管理された食事のみを摂取してもらうと見事に減量できるというデータがあります。つまり、カロリーの収支で決まるのです、やはり。
 このように頑張って痩せた後でモチベーションを維持することは、もっともっと困難なことです。すぐに元に戻るのです。つまりリバウンドです。一部のダイエット食品に「リバウンドの無いスリムな身体作り」などの宣伝文句がついていますが、もしリバウンドをしない、つまりカロリーの摂取を元に戻したにもかかわらず体重が増えない身体になったとしたら、これは大変なことが体内で起こった証拠です。
すぐに医師の元へ駆けつけなければいけません。リバウンドこそ御自身の身体が正常に機能している証拠なのです。低カロリー食で過ごして、空腹感や飢餓感を経験したことそのものに、ホルモン系、自律神経系、免疫系に対する賦活効果があるので、その後また太ってしまうことは当たり前のことです。リバウンドは当たり前、しかし一定期間の飢餓感は身体に良い、中高年のダイエットとはそうゆうことです。
 私の祖母は、塩こぶ、塩辛、タラコ、たくさん醤油をかけた納豆(納豆が醤油の海で泳いでいるようなヤツ)などが好物で血圧は高かったが、それほど肥満でもなく86歳で死ぬ半年ほど前まではしっかりしていた。その祖母が「米子さんの料理は塩辛いわねー」といったのが時々うちへ遊びに来た米子さんの作ったおでん、味ご飯等々であったが、米子さんも肥満ではなかった。私はというと、塩辛いものが好きであるが、塩鮭、タラコなどを食べると翌日は1Kg以上太るのである。その理由は、先ず食が進む(ごはんを余計に食べる)、次に食後にのどが渇いて水やお茶を良く飲む、食事に引き続いて甘いものが欲しくなる、などである。では米子さんたちは何故太らないのか。食後に水をがぶ飲みしていたような記憶は無いが、要するに塩辛いものをたくさん食べて太る太らないはその人の素質であろう。こう書いたら実もふたも無いが、他に思い浮かばない。ただ、塩気の摂り過ぎは、砂糖の摂り過ぎと並んで腸管の健康に良くないことは確かである。例えば腸管の病気であり難病として有名な、クローン病、潰瘍性大腸炎などは塩や砂糖の過剰摂取と発病に明らかな正の相関がある。腸がやられるということは、肌にも悪い影響が出るので過剰の塩気が美容の敵である可能性は高いのである。
 昔々、バブル会というごくひっそりとした集まりがありました。
会の名前から推して、メンバーは不動産屋、地上げ屋、ノンバンクの副支店長、企業舎弟等々で、ホテルのスイートなどに集まって、次の開発案件などの相談をするものかとお思いでしょうが、さにあらず。会のメンバーは、大学の先生2名、料理屋経営2名、わけのわからない科学者1名、サイコな内科医1名、わけのわからない健康食品研究者一名他随時招待講師といった構成でした。そこで何を話し合うかというと、とりとめもない怪しいけれども自分が信じていることをテーマに取り上げてもらい、皆に説明したり講師を招いて補足したりして内容をまじめな顔をして掘り下げ、用意された晩飯を食べるとまあそういった会だったのです。当時週刊誌等で話題となったまともな自然科学の分野の人は一笑に付していた「πウオーター」の有効性に関する実験結果の報告やホルターガイスト現象の体験談などがあり、ちょっと夏目漱石の小説の世界に入ったような結構楽しい時間でした。
 ある時、水の話になって内科医の先生の鳥取の大山での体験談になり、大山のふもとのある養鶏場では一度卵を産まなくなった鶏をもらってきてそこで飼うとまた卵を産み出すとのことで、その秘密はその養鶏場が使っている水にあるというような話でした。話の中でその先生が「塩は水を呼ぶ」という占い師のような発言をし、塩分の過剰摂取が肥満の元であると言われました。はたしてそうでしょうか。続く
 ゾーンダイエットは、摂取栄養素のバランスを重視したダイエット法である。即ち炭水化物4、
蛋白質3、脂質3の割合で摂取することが好ましいというのである。何故好ましいかと言うと、この割合で栄養素を摂取することにより体内のホルモン分泌や自律神経系のバランスが最適になるからというのがその理屈である。残念ながら私の検索した文献には、しかるべき母集団を用いた、盲検法による比較試験などが載っていなかったので、この理論が正しいかどうか今の段階で軽々に論じられない。しかし ブラッドピットがこのダイエット法の信奉者であると書いてあったので、ブラピが昔から好きな私としてはこのダイエット法を支持する。少なくとも、今まで発表された、油抜き、りんご、グレープフルーツ、ゆで卵等々のバランスの崩れたダイエット法よりは、ズーッといい。先日は、私の経理の先生から教わって、キャベツダイエットと言うのをやった。やった方はおわかりでしょうが、キャベツは生で食べる時、中心に近い方の葉っぱは不味い。10日も経つと、冷蔵庫の中が、外側の葉っぱを除いたキャベツでいっぱいになり、家庭内の争いの種を初期のうちに摘み取る才能に優れた私は、このキャベツの集団をベーコンやウインナーと共にポトフにすることで解決した。おかげで、減量には失敗した。
ゾーンダイエットを始めようとして、はたと困ったことは食べようとしている食品が、具体的に上記3要素をどれくらいの割合で含んでいるかわからないことだ。例えばサバを塩焼きにしようと思っても、季節によっても産地によっても大いに異なり、三河湾のゴマサバとノルウェー産の真さばでは脂の乗り具合が天と地ほども違う。従ってこのダイエットを忠実に実行しようと思うならば、市販低カロリーダイエットの様な一食セットが適当である。今日、スーパーに行ったらバナナが売り切れだった。テレビでやった朝バナナダイエットのせいである。懲りない人ばっかりである。