4月初めに行った岐阜雪山登山の記録です。
今回はちょっとスタイルを変えて書いています。
長文ですのでお時間がある時にでも読んでいただけると幸いです。
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その日は朝から雨だった。
弱くなったと思ったら強く降る。
部屋の窓から何度見てもやみそうにない。
とりあえず朝食の時間になったので大広間に移動する。
昨夜と同じ場所のテーブルに腰をおろす。
見るからに美味しそうな朝食が用意されている。
さすが料理旅館。
晩御飯といい、今回の宿は大当たりだ。
(晩御飯)
朝からご飯を2杯食べて満腹。
部屋に戻ってチェックアウトの支度をする。
正直まだこの時点で迷っていた。
予定通りに山に行こうかどうか。
雨の雪山はあまり気が進まない。
するとテレビの天気予報ではこれから回復するという。
「よし、行くか」
そうと決まれば行動は早い。
宿をチェックアウトして車に乗り込む。
ここから登山口のあるスキー場までは車で30分ほど。
ナビで目的地をセットして出発。
ほぼ予想到着時刻どおりにスキー場に着く。
そのまま進もうとするとゲートのところでおっちゃんに声を掛けられる。
「駐車料金1,000円」
スキーに来たのではないので「登山なんですけど…」と答えると、
「じゃぁ、行っていいよ」
なんだか得した気分になる。
今回借りたレンタカーはもちろんスタッドレスタイヤ。
坂道を上りながら山の方へと入っていく。
駐車スペースに来ると車が2台停まっている。
「先行者は2組か」
自分だけではないことにちょっとホッとした。
アイゼンを装着し準備をすませたところで出発。
時計のスタートのボタンを押す。
そしてすぐ横にあるゲレンデから登り始める。
すでにリフトは動いていた。おそらく朝8時から営業なのだろう。
けどスキーヤーは誰もいない。
さすがにこの天気だとスキーに来る人も少ないのか?
とはいえ、邪魔にならないようにゲレンデの端を歩いて登る。
ゲレンデなので雪はほどよく締まっている。
ザクッ、ザクっとアイゼンが雪に食い込んでいく。
「これなら登りやすい」
しばらくは真っ直ぐ登っていく。
「うん、昨日の疲れも残っていない」
昨日は同じ岐阜県にある野伏ヶ岳に登っている。
その野伏ヶ岳には登山道がない。
藪が雪で覆われた残雪期にしか登ることができない。
なのでこの時期にやってきた。
慣れない雪山なので体力的にどうかとも思ったけど、
その影響がほとんどないことにホッとした。
しかも昨夜はお酒をほとんど飲んでいない。
体調は良好だ。
1㎞ほど登ったあたりだろうか、突然時計が「ピピッ、ピピッ」と鳴った。
時計を見るとコースを外れている。
調子に乗りすぎてゲレンデを進み過ぎたようだ。
「といっても、途中で登山道あったか?」
それらしい分岐や入口を見た覚えがない。
とりあえず林の中に入ってルートの方向に進む。
「あそこか!」
それっぽいところが見えた。
そこまで下りて無事にルートに戻ることができた。
まだ雨はパラついているものの、山の中ということもありそれほど気にならない。
ただレインのフードをかぶっているので若干、視野が狭くなっている。
「晴れることはないと思うけど、雨さえ止んでくれれば」
そう思いながら林道っぽい道を歩いていく。
比較的平坦だ。よく見ると先行者のトレースもある。
「間違いなく今日歩いたトレースだ」
道迷いだけは勘弁してほしいので、これは安心材料。
スキー場を右にトラバースする感じの道を進む。
トレースをよく見ると獣の足跡もある。
形的には鹿のように見える。ちょっと大きいのでカモシカかも。
「さすがに熊はいないだろう…」
そんな希望的観測をもちながら歩いた。
やがて林道の終点らしきところに辿りつく。
というのも明らかにこの先の道がないからだ。
あらかじめセットした(計画した)ルートはそのまま直進となっている。
ここから先は時計に表示されたルートとGPSをたよりに進むことになる。
あたり前だけど、ここからは雪もズボッ、ズボッと沈むようになる。
雪山なので時間がかかるのは想定済み。
計画した移動時間も通常より余裕をもたせてある。
それまでの先行者のトレースもこのあたりからスノーシューに変っている。
「スノーシューがいるのか?」
さすがにラッセルするところはないと思うけど、ちょっと不安になる。
傾斜も緩やかに上がっていく。
林というか森の中を進んでいく。
今日のルート、高低図のイメージは頭に入っている。
このまま1㎞ほど登っていけば尾根に出ると思いながら歩いた。
ほぼそのとおりのタイミングで林道っぽいところに出た。
「ちょっと休憩しよう」
そう思い、ザックをおろす。
ミニクリームパンを頬張りながらスマホを取り出す。
現在地を確認。
「半分を過ぎた。思ったよりも早いペースで来ているな」
「いいんじゃない♪」
余裕のある計画なので、その分時間の貯金ができている。
ひと息ついたところで出発。
今度は一変して木々が無いところを歩く。というか登っていく。
幸い視界は十分にある。
もしここで吹雪いていたら進む方向は分からないだろう。
ホワイトアウトの可能性だってある。
このあたりは風も強く吹き抜けていく。
けど寒くはない。
もう4月ということもあって気温はそれなりに高いからだ。
むしろ汗をかいて汗冷えに注意しないと…。
さほど傾斜がないように見えるけど意外と急だ。
一歩一歩と足を前に出す。
途中まで登ったところで足が止まる。
前方を見ると雪に亀裂が入って崩れている。
「う~ん、暖かくなってとけたのか…」
時計が示すルートで進むのは無理そうだ。
迂回して雪がまだ十分に積もっているところをよじ登る。
これが通常の2倍以上きつい!
「この先はどうなっているんだ?」
とにかく夢中になって登った。
登りきったところに「山頂」と書かれた標柱が立っていた。
「えっ?もうすぐ山頂?」
「マジ、ラッキー♪」
嬉々としながら登った先にあったのは小さな社だった。
普通に考えても「距離が短くなる」なんてことはない。
ラッキーと思うこと自体、おかしな話だ。
ここで地図を確認すると「いっぷく平」とあった。
「まぁ、そうだよね…」
ここで、ふたつめのミニクリームパンを食べた。
(つづく)
動画「三上山 ~近江富士に登る~」公開
YouTubeチャンネル:としの山行記





