目の前にはこれから進む稜線がきれいに見える。
標高2800mクラスの稜線だ。
天気は快晴。
楽しくないはずがない。
まずは目の前に見える「三ツ岳」に向かって歩く。
名前から、「ピークが3つあるんだな」と想像する。
「北峰、西峰、あとひとつは何だ?」
あまり深くは考えず景色を楽しみながら進む。
この時期は高山植物もきれいに咲いている。
花の名前はよく分からない。
どの花も小さくて可憐だ。
デジカメで写真を撮るものの、思うように撮れない。
腕が悪いのか、カメラが貧弱なのか、それとも両方か?
どちらにしても、実際に目にした光景にはかなわない。
ふと右手の方を見れば雪をまとった「水晶岳」がよく見える。
予定ではその手前にある「水晶小屋」が本日の目的地である。
どのくらい遠いのかも、この場所からは分からない。
トレイルの途中には雪もちらほらとある。
触るともちろん冷たい。
暑い夏のさなかに、こういった場所に来れることを幸せに思う。
「三ツ岳」を過ぎたあたりだろうか。
前方の左手に、「あの山」が姿を現わした。
「槍ヶ岳だ!」
思わず声が出そうになる。
さらにテンションがあがった。
きれいにのびる稜線の先に槍ヶ岳が見える。
それに向かうようにトレイルを歩くことがどんなに楽しいことか!
裏銀座コース縦走の大きな目的のひとつである。
「なんて贅沢な遊びなんだ」
そう思わずにはいられない。
こまかいアップダウンが単調なトレッキングにならないのもいい。
次に向かうのは「野口五郎岳」。
おそらく正面に見える山頂が丸い山がそうだ。
どっしりとしている。
まだ結構、距離がありそうだ。
地図を見ると、その手前に「野口五郎小屋」がある。
見渡してもそれらしいものは見えない。
とりあえず、でーんと構えた野口五郎岳に向かって歩く。
基本的にルートに迷うことはない。
地図を開くことはあってもコンパスを使うことは1度もなかった。
烏帽子小屋から2時間ほど経った11時30分ころ、突如現れた野口五郎小屋に到着した。
少し早いけど、ここで昼食。
前日の夜、新宿のコンビニで買った「焼鯖の押し寿司弁当」を食べる。
賞味時間が6時間ほど過ぎていたが平気だろう(^^;
小屋で水1リットルを分けてもらった(\200)
その時、小屋のおじさんと少し話しをする。
「今日は夕立ち、雷の心配はないと思うよ」
とのこと。
これには安心した。
この広い稜線では雷からの逃げ場、隠れ場など見当たらないからだ。
30分弱の昼食のあと小屋を出発。
そこから「野口五郎岳」はすぐだった。 時刻は12時10分。
山頂には誰もいない。
ひとりじめだ(^^;
しかも360度の絶景!
思わず身震いしてしまう。
写真を撮りまくったあともしばらく、ぼーっとする。
やがて後ろから他の登山者が登ってきたので山頂を譲り、先に進むことにした。
下りながら先の方に目をやると、小さい小屋らしきものが見えた。
「あれが水晶小屋だな。結構、遠いぞ。」
しばらくは歩きやすいトレイルが続いたが、次第にごつごつした岩が多くなってくる。
ここまでトレランポールを使ってきたが邪魔になってきた。
特に「東沢乗越」の前後は結構、時間がかかったかも。
それでも飽きずに歩き続けられたのは、変化に富む景色があったから。
お花畑や水晶岳、他の山々など。
最後の坂を登りきって「水晶小屋」に到着。
時刻は14時10分ころ。
まずは小屋で宿泊台帳を記入。
この日は「素泊まり」。
当初、予定到着時刻が17時のつもりで、「素泊まり」の事前連絡をしていたからだ。
結構、早い到着となってしまった。
ザックをデポしてしばらく休んだあと、「水晶岳」へ行くことにした。
荷物はぐっと軽くなったけれど、走らず歩いて進む。
なんだかんだいって、結構、疲れてきているようだ。
30分ほどで「水晶岳」山頂に到着(15:00頃)
日焼けで火照った肌に涼しい風が吹き付ける。
「気持ちいい」
ここも360度の大展望だ。
薬師岳も雄大だ。
槍ヶ岳はどこから見ても「絵」になる。
もうこの日は先に進むこともないので、山頂ではゆっくりした。
やがて雲が少し出てきたころに小屋に戻ることにした。
戻りも30分ほど。
小屋に戻ってからは、ラフな格好に着替えてビールを飲んだ。
普段、山に登っている時はお酒を飲まないのだが、「山泊」の時は別。
下山の必要もないので酔っても問題ないからだ。
持参したレトルトカレーを温めて食べる。
小屋の夕食もカレーだったので、「匂い」の心配もいらない。
夕暮れもきれいだった。
「明日も天気がよさそうだ」
夕食のあとは、ふたたびお酒を飲んだ。
今度は持参した「赤ワイン」。
チーズをつまみに、ちびちび飲む。
重くなるのを承知でザックに詰め込んできた。
その分、安いワインも美味しく感じる。
明日も朝は早い。
午後8時には寝床に着いた。
ちなみにこの日は、「ふとん2枚分の広さで3人」という状況だった。
(つづく)
台風が過ぎればまた・・・
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