「肩ノ小屋」を出発したのは、午前6:00頃。
多くの登山者が身軽なバックパックのみで登っていく。
荷物は小屋やテントに残したまま、北岳山頂へのピストン登山なのだろう。
僕は12~13kgの荷物を背負ったまま登っていく。
けれども足取りは軽い。
夜明けからテンションが上がっているからだ。
20分ほどで「北岳(3193m)」に登頂!
「日本で2番目の高峰を制したぞ!」
ただし、景色はあまり良くなかった。
トレランだったら、「残念」と思いながら先に進むところだろう。
だけど、今日は時間がある。
しばらく山頂で雲が切れるのを待った。
大パノラマとはいかなかったが、これから進む「間ノ岳」方面の景色がひらけてきた。
写真では分かりにくいが、実物は美しい山の稜線だ。
そして先に進むことにした。
少し北岳を下り始めたあたりで、
「キャッ キャッ」
というような子供の笑い声に似た音が聞こえてくる。
けれど前後左右を見ても人はいない。
「なんだ? もしかして・・・」
マジでちょっと怖かった。
その正体は、
「猿」の群れが岩山にいた。
登山者を威嚇したなき声だったみたいだ。
周りの景色に目を奪われていたら危険だと教えてくれたのかもしれない。
無理もない。
今、目の前には普段お目にかかれない景色が広がっている。
「中白根山(3056m)」で少し休憩をとる。
今まで歩いてきたトレイルの方を振り返る。
北岳山頂は、また雲の中に隠れてしまっていた。
「間ノ岳」へのトレイルでは岩を乗り越えていく箇所もところどころあった。
トレランなら身軽に進めるのだが、荷物を背負ったままだと結構、慎重になる。
バランスを崩したらシャレにならない。
登山ではトレラン以上に上半身のトレーニングが必要かもしれない。
「帰ったら腹筋やろう」
と思った。
そして、「間ノ岳(3189m)」に到着。
時間は覚えていない。 もう時間もあまり気にしなくなっていた。
「歩きたいときに好きなだけ歩き、休みたいときに好きなだけ休む」
そんな気持ちが心を支配しているような気がした。
なぜか、この山頂には人がたくさんいた。
話しを聞くと、塩見岳からやってきた人もいるみたいだ。
なんとなく、せわしなかったので早々と「間ノ岳」を後にした。
残すは、白峰三山のひとつ、「農鳥岳(3025m)」
最初、標高3000m前後でのトレッキングでは、少し歩いただけで
「ゼーゼー、ハーハー」
するものかと思っていた。
けれど、いたって普通だ。 あまりのども渇かず快適だ。
「農鳥小屋」のところで、朝飯?昼飯?とも言えない食事をとるとことに。
最近の「携帯用食品」は軽くて便利だ。
この時、調理したのは、トマトリゾット。
乾燥具財、アルファ米、水をコッヘルに入れて沸かすだけ。
味の方も悪くない。 腹を満たすには十分だ。
少し休んでから出発する。
エネルギーが充電されたおかげかどうか知らないが、足取りも軽くなり
「農鳥岳(3025m)」まで気持ちよく歩けた。
時刻は11:10頃。
なぜか山頂に着くと雲がかかる。
そしてしばらくすると
雲が切れる。
「まあ、そんなものかな」
深く考えずに下山することにした。
ここからは、ひたすら下り。
その標高差は、2200m。
下り着いたときには、膝がガクガク笑っているかもしれない。
ちなみに今回は機能性タイツなどは履いておらず、足裏のテーピングだけ。
途中、きれいな花畑に遭遇。
花の名前は、「?」
「大門沢小屋」に近づくにつれて雨が降ってきた。
というより、雨雲の下までおりてきたということか?
景色は一変して、樹林帯のトレイルになっている。
途中、水を切らしてしまったので沢で水を汲んだ。
「たぶん飲めるよな・・・。 南アルプスの天然水って商品があるくらいだから」
「大門沢小屋」を過ぎたあたりからは、かなり雨も強くなっていた。
当然、トレイルの方もそれにあわせてぬかるんでくる。
「ぐちゃトレだ・・・」
重い荷物を背負っているので、下り坂ではいつも以上に「後傾」になる。
そうなると、「ヅルっ」と転びやすくなる。
「う~ん、いっそのこと走った方がよくない?」
滑る地面との接地時間を短くすることで転ばないようにした。
滑っても走っているのでそのままの勢いで吸収できる。
「結局、走ってしまったなあ。 登山に来たんだけど・・・」
けれど、この「大門沢小屋」から「奈良田」へのトレイルは、トレラン向きのコースだ。
雨は降っていたけれども、走っていて気持ちが良い。
ところどころで沢わたりなどもあって楽しい。
途中、「マジでここ渡るの?」 というところも実際にあった。
くだり続けること3時間以上、ようやく登山道入口までたどり着いた。
さらに林道、舗装道路を歩き、最終目的地点の「奈良田温泉」に到着!!
時刻は午後3:30ぐらいだったと思う。
長いようであっという間に、「南アルプス登山」が終わった。
多少、天気は悪かったものの、十分に満たされた。
今回の登山ではそれなりの経験値がUPしたと思う。
翌日の朝、帰りの電車の中では、
「次はどこの山に行こうか?」
と画策している自分がいた。
3日目の歩行距離: 19.6km
3日間合計: 41.4km

















