イキウメさん「プランクトンの踊り場」ーー思い込みがかたちになる、記憶の踊り場ーー

気配を感じて、誰かいると思いこんでしまう。その瞬間、その思いが具体化する。
今回の前川さんのモチーフは<ドッペルゲンガー現象・生きている人間の霊的な生き写し>です。

離婚宣言し兄と家政婦のいる、実家に戻った妻。
兄は自宅で親の財産である不動産管理をし、自由に暮らす無職同様の趣味人。

夫が音信普通で訪ねてもこない。ある店の中に入っていった夫を見かけ、店員に聞くがそんな人はいないという。必要に何度も訪ねる。いないという。すると何故か物陰から現れたのは夫であった。しかしその人物は、妻のことを知らないといい出て行ってしまう。

その店では、変な出来事が起こっていた。無いはずのシチューを食べた職人だったり、共同経営者の意識がなくなったり。

その店で会った夫は、妻が作り出した第二の夫だったのだ。
元の夫は、妻の記憶はあるが仕事のことを忘れ、第二の夫は、仕事の記憶は残っているが妻のことを忘れていたのだ。
ふたり揃ってひとりの人間。

状況を確認しながら、原因を突き止めていく兄。
夫の職場の上司、店の経営者、不動産会社の社員も不思議に思い協力する。
この場所には、ドッペルゲンガーが起こるのだ。ないドーナツで検証し確証を得る兄妹。

この現象の解決方法はあるのか?本人は自分がふたりいると思っていない。そのふたりを遇わせると意識障害がおこる。

暗転を用いない場面転換。舞台装置の工夫。キビキビした動作。細かいところまで稽古されている。なによりも演技が最高でした衝撃

安井順平さん、伊勢佳世さん兄妹の場面。
安井さんのよく響く声、伊勢さんの使い分けの言い方、際立つ台詞。なんと気持ちの入ったいいリズムに、聞きやすい言葉。いつまでも聴き続けたいわーい(嬉しい顔)

この完成度は、今年一番ですexclamation ×2
(5月26日)