青空の下の枝垂桜。コーラス仲間のCさんのお庭の大木が、温かさに誘われて、咲き出しました。
「満開ではないけど、咲きだしたから、見に来て」 とのお誘いに、仲間と一緒にでかけました。
桜の木は、お庭の真ん中で、四方にのびのびと枝を広げています。
木の下にはテーブルと椅子も。
椅子に腰掛けて、木を見上げました。
うらうらと のどけき春の 心より においいでたつ やまざくらばな
3月の市民音楽祭のときに歌った賀茂真淵の歌が、みんなの口から自然に出てきました。
「私たちは、この桜の木に生かされているのです。」
ご主人様の言葉。
去年、2人ともあいついで大病をしたのです。
咲くのを楽しみにしているたくさんの人がいる。咲いたときには最高の舞台を用意したい・・・。
それを励みに病気と闘い、庭の手入れをしてきた・・・。
お二人の歴史を、馴れ初めよりもっと前から見守ってきた桜は、そんな御夫妻を静かに、そして、ありがとう、と言っているかのように風に揺れていました。