いつも『語り部シアター』のお知らせをありがとうございます。
先週に続いて今月2回目の昨夜は「忠臣蔵外伝」でした。

1曲目 与一風流 (林与一さん)
大河ドラマ「赤穂浪士」のニヒルな浪人、堀田隼人役で大ブレークされた林与一さんが、歌を歌われていたとは意外でした。江戸情緒豊かな曲を歌われていますが、聴き心地がいいです。

2曲目 おかる道ゆき(美空ひばりさん)
歌舞伎でも忠臣蔵のエピソードは事欠きませんが、仮名手本忠臣蔵の物語です。
大失態した家臣の早野勘平と、腰元おかるの恋の逃避行の場面をひばりさんが”恋し殿御と二人なら、辛い旅路もいとやせぬ“と、はしゃぐおかるの女心を朗らかに歌っています。流石にひばりさんですね。お上手です。ひばりさん流の節回しに道中が浮かんでくるようです。

3曲目 清水一学の唄 (上原敏さん)
吉良家きっての剣の使い手清水一学を歌っています。付き人の心情がよく分かり、メロディも小気味よく間奏がいいですね。
吉良方の歌は中々なくて、やっと探して下さった貴重な音源だそうです。
片岡千恵蔵さん、月形龍之介さん、天知茂さん、近衛十四郎さん等が演じられたそうで、懐かしい名前ばかりです。松方弘樹さんが内蔵助の時は舟木一夫さんが演じられ、そうそうたる方々が演じられていたんですね。

4曲目 江戸の淡雪 (舟木一夫さん)
様々な理由から脱落していった赤穂浪士がいますが、その一人である毛利小平太を歌っています。
舟木さんご自身の作詞ですが、詩の中に物語が凝縮され小平太の心のうち、討ち入りの影に散った武士の情感を見事に歌われています。舟木さんの素晴らしい作詞センスに舟酔いです。

5曲目 赤穂浪士~ドラマエンディング (サントラ)
先週はオープニングテーマから始まりましたが、今回は討ち入りの最終場面のセリフ~引き揚げの音楽で締めくくりになりました。
長谷川一夫さんと志村喬さんのセリフのやり取り、やり取りを聴きながら後ろですすり泣く赤穂浪士には胸をうたれます。
エイ!エイ!オー!の勝どきの声もあり四十七士の引き揚げる姿が浮かびます。
重厚感があり格調高く最後を締めくくるに相応しい曲でした。

忠臣蔵が人気があるのは仇を討つとか、みんなで協力するとか色々な要素があるのでしょうが、一番根本にあるのは忠義を尽くす気持ちが、現代でも人の心を打つ理由なのかも知れませんね。
番組の中でも話されましたが、若い人たちは忠臣蔵を知らない人が多いそうですが、日本人の美しい物語はいつまでも語り継いでもらいたいですね。

今回もたかやまさんは、沢山の書籍やパンフレット等の資料を持ち込まれ、随所に織り込まれるお話はとても興味深く、多いに愉しめました。今年のテーマ「音楽アラベスク」の締めくくりに相応しい素晴らしい内容でした。
選曲や構成のご苦労もおありでしょうに、お持ちの貴重な音源で様々な分野の「音楽アラベスク」を愉しませていただき、とても感謝しています。今年もありがとうございました。

次回はもう来年になりますね。来年度の新たなテーマは「音楽廻り舞台」だそうです。
新年スタートは1月5日(金)
お正月らしく「江戸の粋と艶」どんな曲から幕開けになるのか愉しみです。