「舟木一夫デビュー60周年によせて《77》流行歌の風景」
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チャンネルNECOのインタビュアーとして、舟木一夫に「舟木さんにとって歌とは何ですか?」と聞いたことがある。舟木は間髪を入れずに「命です。命そのものです」と答えた。私はその物言いに驚いた。こんなに力強く答えたのは初めてだったからだ。私だけではなかった。このインタビューの映像を見た読売新聞の担当記者は「その姿にはふだんから見せる誠実さよ
りも、穏やかな中に迫力を感じた」と新聞に書いた。「迫力」とは私が感じたものと同じだった。
私はその数年前に「舟木さんにとってお客さまとは?」と聞いている。舟木は「声と同じくらい命なんでしょうね」と答えたが、その時に「迫力」は感じなかった。その違いを考えた時、
舟木が芸能生活50周年という壁を乗り越えたことが大きかったのではないかという結論にたどり着いた。50周年という見えない圧力を乗り越えて得た“落ち着いた安堵感”と“みなぎる自信”こそが「迫力」を産む源泉になっていたに違いないと思った。
舟木には「歌は声で歌うもの」という持論がある。舟木はかつて私のインタビューに次のようにも答えている。
「濃尾平野のど真ん中にいた少年が、大した苦労もしないまま、偶然に偶然が重なって歌い手の道に入った。運命論じゃじゃないけれど、やはり歌を歌うためにこの世に出てきたんじゃないかなぁって
“寒い時代”にも歌から離れたことはなく、歌は歌っていた。他のことが出来ないんでしょう、多分。歌を歌える声がなくなったら、そこで全て終わるんでしょうね」
いずれにしましても、コロナ禍が明け、再び、あの懐かしい“流行歌の風景”が見られる日が一日も早く訪れることを願っています。
