この度、パリからリスボン、マドリードと周遊し、それぞれの地で活躍されている日本人の指圧師や鍼灸師のもとを訪れ、現地の鍼灸指圧の事情を肌で感じてきました。
①パリ
パリ市内で鍼灸をされている、2人の治療院を訪れ、それぞれ治療を受けさせていただきました。
1人目はメトロのRépublique最寄の治療院
それぞれのとこで聞いたこと
日本の鍼だろうが、中国の鍼だろうが、フランス人は鍼の響きが未知のものであり、苦手意識が強い。
しかし、しっかりと症状を治せれば鍼というものを信用してくれ、次々と患者を紹介してくれる。
フランスで鍼をするには日本の鍼灸師の資格では不可。さらに、セイリンなどの日本の鍼はフランスでは買えないため、中国鍼を使う場合がある。
フランスで働くには就労ビザの取得が一番の問題となる。何十年も前はビザ申請はさほど難しくなかったが、サルコジ大統領時代にかなり厳しくなり、今のオランド大統領は少し緩和した。
しかし、現状はフランス国内特にパリ市内は移民があふれかえっており、パリ市民は移民に対してマイナス感情を抱いている。
今度のフランス大統領選では極右政党の候補者の人気が集まっており、これに決まれば間違いなくビザ申請は厳しくなっていく。。。
ここからは、パリ市内にある日本人の協同組合で聞いた話
日本人がフランスで働くには、就労ビザが必要。
一番話が早く手続きが楽なのは
雇用ビザ
誰かに雇ってもらう
とはいえそう簡単に雇用なんてしてもらえない
では
どこかの治療院やサロンに雇って貰う以外の方法
プロフェッショナルリベラル
いわゆる自営業登録
このピザはハードルは高い
ポイントは
・日本での実績
・今後の売り上げ見込み
・今後数年の生活資金の確保
フランスは大統領選挙が近く、今後このピザもどうなるかわからない。極右政党のルペン氏になれば厳しくなるのは必至だが、逆に中道・無党派マクロン氏になれば良くなるのでは、、
という情報もある
どちらにせよ、就労ビザなんて、下手したら毎年更新の可能性もあるので、手間や金銭的にもつらい
じゃあ、なんかウルトラC的なビザはないのだろうか?
あります
フランス人と結婚して家族ビザを取得
そりゃーそうですよね・・・・
そして、夜にはパリで指圧・導引する市川先生と鍼灸師の玉山先生と食事
フランスの指圧情勢について
数年前にフランスの労働省が指圧を職業として、認めた
これは、何を意味するか
今まで全く管理されていなかった指圧という仕事を国が介入していく
とはいえ、日本のように国家資格を作るわけではない
今のところ職として指圧をする、即ち税制上の職業登録を指圧とするには国の認めた団体への加入が必要ということ。
だから、プロフェッショナルリベラルのビザで指圧をするにはこの団体にはいらなければならない。
ではこの団体への加入条件は?
フランスには何個か指圧の団体がある。そのうちの1つが国の認可。それぞれの団体には各々の認定校があり、そのディプロームを持って団体への加盟を意味するらしい。
では日本の指圧免許が通じるのか?
それは不明
とにかく
あくまで、『職業を指圧と名乗るには』
これに限った話らしい
フランスの指圧は経絡指圧またの名を増永指圧が主流。フランスではこの流派を禅指圧と呼ぶ
浪越指圧は10パーセント程度
②リスボン
ポルトガルの首都である、リスボンを訪れたのは、舟田 先生の治療院を見学するため。
舟田 先生はリスボンで30年以上鍼灸治療を続ける大先生で、良導絡治療を用いた鍼灸をメインにレーザーや水素といった最新の物理療法も取り入れ、広い視野を持って患者のケアにあたっている。1つの技術にこだわらず、良い治療結果の出るものは積極的に取り入れている。
先生は常に最新の治療を研究している。アンテナをとても敏感に張っている。
私がリスボンを訪れた日に、自然療法の集まりがリスボンの某ホテルで行われていた。この集いに先生に連れられて参加した。
ここでも、先生のアンテナの感度の強さにびっくりした。
先生が少しでも気になった業者があれば、すぐに名刺交換をし、いつでもアポの取れるとこまでしっかり話を詰めていく。
こんな感じで、フロア内の業者を片っ端に回っていたような気がする。素晴らしいアンテナの感度だと思いました。
話は変わり
治療院見学もさせてもらった
治療院は常に清潔整理整頓が徹底されており、スタッフ自身の意識も高く、身だしなみや患者対応には大変気を使っているように感じた。
やはり、清潔、身だしなみ、顧客対応は世界共通の重要なポイントであると感じた。
先生の診察治療は迅速かつ親切丁寧。
スタッフとの連携は凄まじく速く、一言も喋らずとも阿吽の呼吸で次々に治療をしていく。それも全ては先生のスタッフ教育のたわものであろう。
スタッフは治療スタッフとアシスタントの方がいる。
治療スタッフは鍼灸担当と指圧担当がおり、指圧治療の患者はスタッフに一任している。
私はRui氏の指圧を受けさせてもらった。
率直に素晴らしい技術だと感じた。
そして、私が鼻をぐずっていたらすかさずティッシュを差し出す気遣い、素晴らしい治療家だと感じた。
そのせいか
彼の指圧は毎日予約で満タンらしい。
彼は全て舟田 先生から習ったという。
舟田 先生はスタッフを家族同然に親身に接して、スタッフが将来1人で食っていけるよう教育しているという。
治療院に通っている患者についての話
これは日本でも同じだが、ポルトガルの人は2.3回の治療で効果がないとすぐ離れてしまう。
患者さんは現地のポルトガル人が中心であり、長年通い続けている方が多いそうだな。
患者さんが自分のレントゲン写真を持ち込み、医師で診察してもらったものへのセカンドオピニオンを求めることもあるくらい、患者からの信用は厚いと言える。
やはり、この治療院の技術の良さと、スタッフや治療院自体の清潔さなどから、患者の信用を得て30年にもわたって繁盛している。
③マドリード
私が今回訪問したのは、マドリードの中心街から少し離れたメトロPlaze de catilaにある、Japan Shiatsu SchoolとCentro de Shiatsu
2つとも日本人で浪越指圧の第一人者である小野田先生が代表を務める。
Japan Shiatsu School
3年間のカリキュラムを持つ、浪越指圧のヨーロッパ版の学校。
1年次に浪越指圧、2年次に小野田先生がヨーロッパの特性に合わせて開発した指圧である阿是指圧、3年次は臨床で使える色々なテクニックを習う。
この学校の特徴は日本のような資格取得のための学校ではなく、卒業と同時に食べていける技術を習えること。すなわち、本当に治せる指圧を習える。
さらに
この学校では日本と大きく違うのは
ヨーロッパは理論先行型のため、理論をしっかり説明したうえで技術を教えている。
私はこの学校の3年生のクラスに交えてもらい、指圧のペア練習をさせていただいた。
卒業を控える学年の指圧は既に日本のそこらへんの指圧師よりも上の技術を持っているように感じた。
その後、小野田先生と食事をご一緒にささてもらい色々とご指導をいただいた
ヨーロッパで日本人が治療院をやる場合、最初の2年くらいは物珍しさから技術の有無に関わらず客はくる。しかし、その後は、本当に治せるかどうかにより客足は遠退く。
ヨーロッパの人は現地の言葉を特に重視する。治療院に置いて、現地の言葉を話すことはマスト
ヨーロッパは格差社会
エリアにより階層がはっきり別れてる
貧民街、中流、上流、富裕層など、はっきりしたカラーがあるため、開業するエリアをしっかり選ばないと目的とした顧客は来ない。
Centro de Shiatsu
近隣は落ち着いた雰囲気のエリアで、治安の良さと利便性からマドリード市内では最高の立地にあるオフィスビルのワンフロア貸し切りの治療院
全室個室ですべての部屋は高級感のある設備と備品がそろえてあり
そこで患者着に着替えて施術をうけた
やはり技術といい、リラックス感といい最高でした
長い旅の疲れから最大限に疲れた身体がフルで回復した。
毎日歩き詰めたせいで、腰痛がマックスになっていたが施術のおかげで回復した。
遠いスペインの地で至福の時間を過ごさせていただいた。
やっぱり浪越指圧は良いですね!!!!
今回の旅、全体で感じたこと
・治療院において、清潔は必須
・治療院の立地は高級地を選ぶ
・設備、器具、備品などの消耗品においても経費節約と安物を使わず、高級品を使う
・日本と同じく、インターネットでの情報発信はマスト。
・一民族一国家の日本と違い、ヨーロッパは色々な民族がいるため言語も違えば、考え方も違う。そのため、誰でもわかる論理的な説明が必要となる。ニュアンスや感覚の世界の話は通じない。
・フランスならフランス語、スペインならスペイン語とその国の母国語を話すことは必須
旅の最後の試練
パリから日本に帰る飛行機での話
パリ⇒上海⇒名古屋
という乗り継ぎ経路
パリの空港でチェックイン時、預け荷物は自動的に乗り継ぎ便に移動するため、上海での乗り継ぎの際に預け荷物をピックアップ不要とのことを航空会社のカウンターで言われ、さらに機内のCAにも確認した。
しかし
上海空港で、そのことを再確認したところ
荷物のピックアップをして、乗り継ぎ便チェックイン時に預け直せとのこと
焦りました…
到着ターミナルで、預け荷物をベルトコンベアの前で待つ。
荷物がこない‼︎
恐らく、パリの空港で聞いたとおり預け荷物は乗り継ぎ便に自動で移動したと希望的観測を持った
しかし
乗り継ぎ便のチェックインで、その旨確認したところ、荷物はない!!
どうなってるんだ!?
荷物はどこにあるのか確認してもらったら
到着ターミナルのロストバゲージカウンターにあるとのこと
現在時刻、乗り継ぎ便出発40分前
到着ターミナルと出発ターミナルとの距離は約500メートル
今の自分の選択肢
・荷物を取りに行く
・荷物は諦めて、後日空輸してもらう
即断で取りに行くことを選び、空港内を全速力で走り、到着ターミナルロストバゲージカウンターに着きました。
しかしまたそこで試練
私の前に立ちはだかる、先客のおばさん達
しかも、かなりハードにもめてる模様
その嵐もかいくぐり、荷物を発見!
この時点で出発30分前
そこから、出発ターミナルに向けて全力疾走
しかし、またまた行く手には荷物検査のゲート
時間がないことを猛アピールし、スムーズに突破
カウンターに荷物を預けに行くと、時間切れだから機内に持ち込むことに
重たいカバンを2つかかえて、ボーディングゲートに向かうと
またもや、係員に止められて荷物を預けるよう言われる
が、それはカウンターで出来ないと言いわれたと、言い返す。
しかし、それは通じず再びカウンターにその係員と共に向かったが、
結果的に預けられず
係員も渋々了承
てか、航空会社会社の判断で機内に持ち込めとのこと
この時点で出発20分前!
やばすぎる!
そこから、出国審査を超えてゲートに着いた時には残り5分でした。
そして、結果的には無事に帰国出来ました。
最後の試練で学んだこと
・何でも疑ってかかってみる。
・主張ははっきりと感情を込めて
・絶対なんとかなるという根拠のない自信と、絶対何とかしてやるという強い意志
無事に旅を終えれたこと、お世話になった先生や道中の方々に感謝します。












