3月28日(木) 王子ホール

【2023 王子ホール主催公演】

 

キアロスクーロ・カルテット

アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)

ベンジャミン・マーキーズ=ギルモア(ヴァイオリン)

エミリエ・ヘーンルント(ヴィオラ)

クレール・ティリオン(チェロ)

 

パーセル/4声のファンタジア

第7番 ハ短調、第8番 ニ短調、第11番 ト長調

 

ハイドン/弦楽四重奏曲第38番 変ホ長調『冗談』 

 

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第8番 ホ短調『ラズモフスキー第2』 

 

 

16年、19年の後、コロナで2度中止、5年ぶり3回目の来日

 

ピリオド楽器、ガット弦、当然ピッチは低い

 

渋い音色は、モダン楽器、スチール弦とは全然違う

 

違う楽器と思ってもいいくらい

 

音量的にも大きな音は出ない

 

小さい音はさらに小さく弾き、極度に繊細

 

逆に強く弾くと音は荒い音になる

 

ビブラートは全くかけない訳ではなく

 

長い音符の時は普通にかけているように見える

 

現代を代表する四重奏団でこのスタイルは唯一無二

 

好みはあるが、せっかく来日するなら聴き逃す手はない

 

一方、イブラギモヴァ人気は相変わらず根強い

 

楽器がどうこう気にかけていない客層はたぶん多い

 

演奏そのものの中心はやっぱりイブラギモヴァ

 

バランスを欠きはしないが、回りもそこは分かっている

 

それがこのカルテットの最大の魅力

 

今回はヴィオラのエミリエ・ヘーンルントに注目

 

軽く弾いているようで、絶妙のめりはり

 

“内声”がどういう役割なのかがはっきりしている

 

選曲については『冗談』は前回と同じ

 

ラズモフスキーは前回は1番で今回が2番

 

1番よりは重くないので、むしろ良かったかも

 

『冗談』の終楽章は客席は思いっきり引っかかった

 

今回、第2ヴァイオリンは代役出演、特段違和感はなし

 

 

 

ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第8番「ラズモフスキー第2」より 第4楽章

クス・カルテット

2019年ライブ(サントリーホールCMG, ブルーローズ)