6月10日(土) サントリーホール

 

大植英次(指揮)

阪田知樹(ピアノ)

日本フィルハーモニー交響楽団

 

ワーグナー/楽劇『トリスタンとイゾルデ』より 前奏曲と愛の死

プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番 ト短調

チャイコフスキー/交響曲第6番『悲愴』

 

 

金曜定期が東京シティフィルと重なったため振替

 

このあと、7月、9月も金曜はシティフィルと重複

 

 

いわゆる“尺”からすれば、なくても良い『イゾルデ』

 

これが素晴らしい演奏で正直びっくり

 

オーケストラは弦楽器が美しく、日フィルらしい温かさ

 

オーボエ、ホルンはじめ管楽器の音色も最良

 

大植の指揮は粘っこくならず、音楽が自然に流れる

 

最初の一曲だけで聴きに来て良かったと思った

 

坂田和樹のプロコフィエフは華麗で若者らしい鮮やかさ

 

技巧的には3番より難しいと思うが、見事なテクニック

 

大植の指揮が冴えていて、ソリストとの呼吸はぴったり

 

後半はラザレフが振る予定だったタネーエフから差替えの「悲愴」

 

これもまた素晴らしかった

 

3楽章の途中、不動の指差しで指揮をしない姿になぜか感動してしまった

 

終盤の展開で一か所だけ見得を切るが、今度はすごいバトンテクニック

 

これができるのはCDやYouTubeで聴いた中でも、マゼールとマッケラスだけ

 

4楽章は渾身の指揮で、顔芸は健在

 

しかし、音楽は非常にシンプルで力強い

 

やたらと捏ねくり回した以前の大植と比べれば随分変わった感がある

 

最近の日フィルは間違いなく良い演奏をするので、定期会員は止められない

 

コンサートマスターは木野雅之

 

大阪のコンクールが終わった、タレイア・カルテットから2人発見

 

石崎美雨(チェロ、団員)と渡部咲耶(ヴィオラ、エキストラ)

 

ピアノアンコールはなしで、それでも終演は16時20分

 

 

さて、これからもう一度サントリーへ出陣

 

 

 

チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」より 第3楽章

アンタル・ドラティ(指揮)

ロンドン交響楽団, 1960年録音