11月5日(土) オペラシティ コンサートホール

【東京オペラシティ・シリーズ 第130回】

 

ユベール・スダーン(指揮)

郷古 廉(ヴァイオリン)*

岡本侑也(チェロ)*

東京交響楽団

 

メンデルスゾーン/序曲『静かな海と楽しい航海』Op.27

 

ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102

 ⅰ. Allegro

 ⅱ. Andante

 ⅲ. Vivace non troppo

(アンコール)

マルティヌー/二重奏曲第2番 より 第2楽章

 

シューマン/交響曲第3番 変ホ長調 Op.97『ライン』(マーラー版)

 ⅰ. Lebhaft

 ⅱ. Scherzo: Sehr massig

 ⅲ. Nicht schnell

 ⅳ. Feierlich

 ⅴ. Lebhaft

 

 

スダーンが振るときの東響はノットのときとは全然違う

 

ひとことで言うと、隙がない

 

一曲目の「静かな海と楽しい航海」

 

冒頭からあっと思わせる、美しいアンサンブル

 

テンポが速くなる後半も音一つひとつ正確

 

表面的にならずに、作曲家の音楽そのものが楽し気に語る

 

ある意味、地味かも知れないがこれが指揮者の見識というもの

 

曲の終わりの方はじんわりと目が潤んでしまった

 

楽器編成にないはずのユーフォニアムが1

 

コントラファゴットの後ろで演奏していた

 

ティンパニの音の張り具合が硬すぎず柔らかすぎず絶妙

 

 

続いて、二重協奏曲

 

贅沢な感じがしてプログラムには比較的乗りやすい

 

でもこれ、ソリストのために書いた曲という感は否めず

 

何度聴いても面白くない

 

はっきり言って、ブラームスにしては駄作

 

若い二人には申し訳ないが、ただただ眠かった

 

 

後半の「ライン」は素晴らしかった

 

第1楽章、冒頭から目の覚める様なクリアな響きに驚き

 

この部分、どの演奏、どのCDを聴いてももやもや

 

シューマンの4つの交響曲の中で一番気に入らないところ

 

ここがスッキリしている時点で、気分は前のめり

 

第2楽章は、たぶんスダーン自身が好きな楽章なのだろう

 

表現がとりわけ豊か

 

澄んだ響きが美しい第3楽章(クラリネットが素晴らしい)

 

第4楽章から第5楽章へ向けての揺るぎない構築力

 

ラインの光景、荘厳な大聖堂がくっきりと描かれる

 

最後、うるうると感動してしまった

 

いいのかどうか別として、珍しく客席から一斉にブラボーが出た

 

 

今回はマーラー版の楽譜による演奏

 

2009-10年に全曲演奏し、ライブ録音した時と同じ

 

木管では聴こえにくい旋律を金管で吹かせるなどは目立つ改変

 

メリハリをつけるところでティンパニの音を加えたり

 

多少の違和感はあるが、意図は成功している

 

コンサートマスターは小林壱成

 

14 -12 -10 -8 -7の純正14型

 

チェロのトップに客演で東フィルの服部誠

 

 

 

シューマン/交響曲第3番「ライン」(マーラー版) ~ 第5楽章

アルド・チェッカート(指揮)

ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団