さて、前回は光と紫外線について書きましたが、今回はその続き。
「緑は目にやさしいの?」ってことについて。
多分に私見が入っておりますので宜しくお願いします。
結論から申し上げれは、目に優しいです。
緑が安らぎのイメージだからとか、そんな意味ではなくて光の波長という観点からです。
さて、可視光線は「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」と波長の違いにより色として認識されます。
波長が違うので性質が違い、波長の短いエネルギーの大きい光はよく曲がり、
逆に波長の長いエネルギーの低い光はあまり曲がりません。
つまり、色によってピントの合う位置が違うということです。
これを「色収差」と言います。
当然、目もレンズと同じ仕組みで焦点を網膜に合わせるようにできているわけですから、色収差の影響を受けています。
そんなわけで、人間は黄色い光約「555nm」の波長を最も鋭敏に感るようにできていてそこを網膜に乗せるようにしているそうです。
比視感度曲線というものがありまして、人の目は明るいときは「555nm」の光をもっとも明るく感じるようにできており、そこから離れるにしたがい急激に感度が低くなります。
さて、網膜に「555nm」を乗せるということは、より波長の短い光は網膜の手前で焦点を結び、逆に波長の長い光は網膜の奥で焦点を結ぶということです。
つまり!
赤いもの(波長が長い)を見ると焦点を前に動かすような刺激になり、緑(波長が短い)は焦点を後ろに動かすような刺激になるというわけです。
だから!
赤いものはピントを合わせるために調節力を使わせる刺激を
緑のものはピントを合わせるために調節力を緩める刺激になるわけです!
ということは!
緑は目に優しい!
(遠くのものですよ)
これは近視の目は赤の物が緑のものよりもハッキリと見え、逆に遠視は緑のものの方が赤のものよりもハッキリ見えるということです。
メガネをかけたことのある人なら察しがついたかもしれません。
「赤側と緑側の文字はどっちが見えますか?」
なんて検査をされた覚え、ありません?
これは色収差を利用し、比視感度の最も高い555nmの光を中心に波長的に等間隔に離れている赤と緑を使うという理屈に基づいているわけです。
さて、最近は信号機がLED化してるので小さなランプがブツブツといっぱい付いてます。
青信号のブツブツのほうが赤信号のブツブツよりもハッキリみえるとしたら。
多分「遠視」です。
よく見えるのになんだか疲れるとかいう人はメガネで楽になるかもしれませんよ。