「一流の施術家」を目指して -34ページ目



前回お話しした内容をまとめると、



『人間は(特に現代においては)、行動しなければ生きていけないというような状況が減少し、思考する時間的余裕が増えた背景のもと、自分の「頭の中の世界」を構築しやすく、自分独自の強固な思考やこだわりにより、外部環境に適応しづらくなってきている。


しかし、本当の意味での個性や自分の力というものを最大限発揮したければ、今現在の環境にまず適応することが重要である。

環境に適応するということは、自分の足場を作る行為であり、土台を作ることを意味し、それは生きる上での最低限の「安心」・「安全」を手に入れるということで、人は「安心」や「安全」という環境のもとではじめて、自分の力を最大限発揮することができる。』




という内容でしたが、

実はこれが身体を良くすること、健康とも密接に関係します。



今現在の環境に適応できず(または適応しようとせず)、自分の思考・こだわりを優先させて、環境の変化を求めるということは、身体を動かす際も、自分のこだわりやクセを優先させ動かすということです。(自分のこだわりを外部に押し付けるということ。多くの場合は無意識下で生じる。)



例えば、ある傾いた地面に足部を接地させるときに、本当はその斜面に合わせて柔軟に足部の形を変えて着けば脚は歪まないのです(環境の変化に適応している状態)。



しかし、地面が斜めになっているにも関わらず、まっすぐつかなければというこだわりを持って緊張で固めて接してしまったら当然、その足部は地面となじまず衝突してしまうわけで、それを繰り返すことで足は歪んでしまうわけです(環境の変化に適応できない状態)。



少し大げさな例として上げていますが、これが歪みの発生の根本的な仕組みとなります。



つまり、外界の都度変わる環境に適応できず、頭の中で構築した世界の元、自分のこだわり、ルールの中で身体を動かすから歪む。ということですね。



これが逆に、「環境に適応できる」といった場合は、自分の思考やこだわりで身体を動かすのではなく、都度変わるその場の環境にベストの身体の動きを取ることができるということになります。




実はそう身体を使っている限りは、人間の身体はそうそう歪まないようにできているのです。




これはいわば身体のセンサーが最大限に生かされている状態ということであり(身体の感覚が正常である状態)、頭であれこれ考えて身体を動かすのでなく、身体のセンサーがまず外部環境の変化を察知し、「考える前に動く」という状態をとることができる身体・状態と言い換えることもできるかと思います。




これは、まさしく動物に近い働きともいえると思いますが、これらの働きを強めることが重要であるというのは、思考(理性)が必要ない。ということではありません。現代では思考の方の働きが過剰に強まり、身体の正常な働きの方が弱まりやすく、結果として身体の歪みや痛みに苦しむ人が多いからなのです。



当然思考(理性)も必要です。



しかしその思考も、「行動するための思考」であり、行動なき思考は意味がなく、先ほど述べた身体を病ませてしまう行為となります。



整体は、一般的には身体をただの物質としてとらえ、身体の歪みを正すという見た目だけの変化であると思われがちだと思います。



しかし、これまで述べたように、身体を整えるということは、ただ物質として歪みがとれるということだけでなく、身体が整ったことで、



「都度変わる環境に合った理想的な行動がとれるようになる」→「成果をだす、成功する確率が上がる」→ 「成功体験を積むことで思考が変わり、より成果を上げられる思考ができる」というような、『人生がよりよい方向へ変化するような効果』までもを期待できる、素晴らしい療法であると思っています(^^)