「霊的闘争における勝利はそう簡単には得られません。霊的なものが支配権を握るに至る過程は長くて過酷なものです。が、一度手中にすれば、それは永遠です。決して失われることはありません。霊の褒賞は決して傷づきません。決して錆びつきません。決して腐食しません。永遠に自分のものとなります。それは皆さんが、皆さんの一人ひとりが、自らの努力で勝ち取らねばならない、永遠の財産なのです。」

 私は、永遠の霊の褒賞とは究極の平安のことではなかろうかと最近考えるようになりました。それはニルヴァーナとか涅槃という言葉からくるイメージではなくてもっと日常的で動的であるにもかかわらず常に平安というものです。

「皆さんとともに仕事をしている私たち霊界の者が、いくら皆さんを愛し、窮地にあって守り導き、道を教えてあげようと望んでも、所詮は皆さん自身の道なのです。その道を進むのはあなた方自身です。そして一つの困難を克服するごとにあなた方自身が霊性を強化し、霊的な仕事にたずさわる者として、より大きな資格を身につけて行かれるのです。」

 霊の褒賞は一人ひとりが自分の生活を戦い抜いていく中で手にしていくものです。

「われわれに対抗する勢力は、地上においても霊界においても、実に強力です。しかし、いかに強力といっても、神の意志をしのぐほどの力はありません。」

 敵とは何者でしょう。私にはそれが心に巣食う思い込みのように思えます。何もかも死んだら終わり。人生何があるかわからず、いつ死ぬことになるかもわからない。そう信じ込み、ちょっと何かあるだけでビクビクします。

 霊の褒賞を得れば違います。究極の愛と叡智に基づく永遠の摂理を通じ、片時も絶えることなく全地に完全なる公正が行き渡っているのです(人間がどう考えようと)。そして、この身にどのようなことが起ころうと、それは永遠の霊的進化の大切な一過程なのです。

 霊の褒賞を得るとはこのことを心から信じることができ、いつも安心でいられるということだと思います。(「シルバーバーチの霊訓9」11章)