気づけば私たちは物質の世界に生きていて、私たち自身が物質の体で生活していますが、だからといって病気もまったく物質的な原因で生じるかというとそうではなく、「気」から来ると言われます。霊的真理では人間は肉体・精神・霊の三位一体ともいうべき存在であり、この三つのバランスが崩れることで病になるのです。

 ではそのバランスを崩すもの、つまり「気」の正体は何かというと、「物質中心主義」です。

「今日では(心霊治療家は)数え切れないほどになっております。身体と精神と魂を病んだ人がいたるところにいる病める地上では、それだけの数が必要なのです。残念ながら物質中心主義から生まれる病は感染力が強く、すぐに蔓延する一種の伝染病です。しかし、光が闇を駆逐するごとく、心霊治療は正しい生き方を教えることによってその病弊を駆逐していくことでしょう。」

 ただ目に見えるというだけで、それがすべてと考える小さな脳の働きと、永遠、無限である真理と、考えてみればこれほどの大きなギャップはないでしょう。この大間違いが身体精神霊のバランスを崩さないではおかないのです。

「健康を増進するのは医学でも医薬でも劇薬でもありません。不自然なものを体内に注ぎ込むことによって健康にすることはできません。それは言わば医学的愚行です。正しい生き方さえしていれば、つまり思念に邪なところがなく、霊と精神と身体とが調和していれば健康でいられるのです。日常生活のストレスと心労、あるいは利己心や邪心や強欲が生み出す不自然な緊張ーーーこうしたものは物的存在のすべての息の根を止める毒薬です。」

(「シルバーバーチの霊訓9」2章)

 これからはただ病は気からと気休めに言うのではなく、もっと具体的に物質中心主義こそ諸悪の根源なのだと深く捉え、それに絡め取られることなく、いつも霊的成長を見据えて朗らかにしていましょう。それが末永く健康でいるための秘訣です。