「人間はその本来の霊的属性を発揮しようとする行為が妨げられることはありません。妨げとなるのは自分自身の貪欲であり、強欲であり、利己心です。それが霊の本来の権利であるところの自由を求めようとする怒涛のような魂のうねりを妨げるのです。」
2度の世界大戦を通じ、人々は物的に非常に貧しい時代を体験することになりましたが、それはすべての人にとってその霊性や精神性以前に痛感せざるをえないものでした。そこで物的水準を高めることが急務となり貪欲や強欲や利己心がその推進役としてもてはやされる側面があったのだと思います。このことは資本主義の歴史全体を通じてあてはまることかもしれません。
しかし人間とは「物的水準を高めるためだけでなく、霊性の発達を促し、精神のもつ芸術性を培うために、人間のすべての願望を叶え」たいと思う存在です。物的水準が充分に高まれば貪欲、強欲、利己心を活動の原動力に据える必要はありません。「今や霊力の莫大な威力の援助を得て、その霊的本姓が地上界において発揮されつつあります。」
時代はすでに貪欲、強欲、利己心に突き動かされる資本主義ではなく、もっと霊的・精神的な自由、願望を叶えるための世界を待ち望んでいます。
「いわゆる霊的啓示(インスピレーション)が大規模にもたらされることでしょう。スピリチュアリズムに関心を向ける人が増え、この教えこそが悩みの時に導きを、困難にあっては慰めを、取越苦労と煩わしさの中にあっては安らぎと確信を与えてくれるものであることを知るでしょう。」
(「シルバー・バーチの霊訓2」4章)