潜在的個性、本来の生命力に気づくための内観法は種々あれどその目的は同じです。脳の働きを鎮めることでそれらの放つ微かなシグナルを捉えられるようにすることです。
「(各方法)いずれも目指すところは同じで、脳の働きを鎮め、潜在的個性を発現させて本来の生命力との調和を促進しようというものです。要するに物的混沌から抜け出させ、霊的静寂の中へと導くことを主眼としておりますが、私はどれといって特定の方法を説くことには賛成しかねます。各自が自分なりの方法を自分で見出していくべきものだからです。」(「シルバー・バーチの霊訓1」9章)
”自分なりの方法”の中には芸術鑑賞もあるのかなと思います。考えるのを少し控えて五感が刺激されるままに委ねていると異世界に身を置いている気分になることがあります。
しかしそのような体験は作品を見たり聴いたりするまでもなく、感覚を研ぎ澄まして、雨風や鳥の声、線と面と色彩と明るさ、記憶やイメージ、香りや温度などによって導かれるまま遊ぶことでも味わえると思います。
とはいえ芸術鑑賞などの美的体験を積むことでよりスムーズに洗練された方法を身につけられるかもしれません。