少子化が国の存続を揺るがす喫緊の課題だということで、子育てにかかる負担を減らしたり、収入のアップで婚姻数を増やそうとしたりしています。日本では特に結婚と出産がセットになることが多く、婚姻数が増えれば子供も増えると考えられるのですが、昔のようにはいかないのではないかと思っています。
大人たちの関心が子育て以外のいろいろなことに向かっていることもありますが、もっと根本的な環境の変化があります。
そもそも出産は結婚とセットというよりセックスとセットなのです。昔はその部分がある程度お預けというか(一部の人を除き)結婚と引き換えとされていてようやくそれが可能になったら嬉しさの勢いで子作りまでつながったと思います。しかし今や生身でもバーチャルでもそんなことは関係無しでやりたい放題なので、セックスに神秘性も魅力も無くなってしまいました。セックス(ひいては結婚)から子作りにつなげるまでのポテンシャルが失われてしまったのです。
これは世界中(ひょっとしたらイスラム世界は別かもしれません)で進行中であり特に先進国を中心に少子化が問題になっています。
しかしこれはこれで良いこととまでは言いませんが、少なくとも必然ではあると思います。欲望充足の勢いにまかせるのではなく子作りについてよく考えるべき大切なことだとの意識になると思うからです。といっても考えすぎていては何も始まりませんが。
また男女の交流が自由になることで両者には思っているほど違いはない、同じヒトであって受け止め方にもよりますが差異はわずかなことだとの意識も広がると思います。性差に関係なく人物そのものはどのようであるかを見られるようになるのは良いことです。
人と人とが何か見た目などに惑わされることなく真に愛し合う世界になってほしいと思います。そうなれば人口は少ないかもしれませんが、今よりはずっと素晴らしい世界になるでしょう。
「地上で愛し合った男女の間に真実の愛があり、その愛が二人を霊的に一つにし、霊的進化のレベルが同じである場合には、死が二人を引き離すことはありません。死は、魂にとってより自由な世界への入り口のようなものですから、二人の結びつきは地上にいたときよりも、いっそう強くなります。
しかし、二人の結婚が魂の結びつきではなく肉体の結びつきに過ぎず、しかも両者の魂の進化のレベルが異なる場合には、死は両者を引き離すことになります。二人はそれぞれの進化のレベルに合った界層へ惹かれていくことになるからです。」
「男女と言っても、あくまでも男性に対する女性、女性に対する男性のことです。物質の世界ではこの二元の原理が完璧に貫かれていますが、霊の世界では界層が上がるにつれて男女の差は薄れていきます。」
(「シルバーバーチの教え」11章)