モノの値段が上がったら給料も上げてもらわねばなりません。それは社会の仕組みとして当然のことと思います。でもこのことは私たちがより良い幸福な生活を送る上で必要十分条件のうちの片方しか満たしません。働き方改革とかで労働時間短縮が議論されたりしていますが、これも給料と同じ側の条件を満たすだけです。身体としての人間に必要なモノ・コトを満たすだけでなく真に人間らしい幸福な生き方、働き方のためにもっと根本的な革命が必要です。といって何も流血する必要はありません。魂の革命だからです。

「地上の人間は、自分自身の魂を救済することを学ばなければなりません。そのための既成の方法というものはありません。前もって用意された型通りのシステムというものはないのです。あらゆる生命現象の背後に永遠の実在としての霊が存在していること、人間も物的身体に宿っているという点では物的存在であっても、その身体を通して自我を表現している霊的存在であることを理解しなければなりません。

 まず、生命を維持するために必要な全てのものを大霊の意図しているとおりに存分に摂取して、肉体を健康にしておくことです。そのうえで、既成宗教のドグマや信条の束縛から精神を解放しなければなりません。無意味なもの、霊的価値のないものに忠誠を尽くすことなく、真実のためにのみ働き、これまで何千年もの長きにわたって地上人類を束縛してきたドグマ(教義)をめぐる戦争や論争や不和をなくさなければなりません。」(「シルバーバーチの教え」3章)

 私たちを真実のためにのみ働くことから遠ざけてきた様々なドグマがあります。今でもそうです。それは一体どんなものでしょうか。さしずめそれはいわゆる社会人の常識とされるものの中に潜んでいるかもしれません。もちろんマナーとして大事なところもありますが、その裏になにか私たちを縛るドグマが潜んでいるのです。

 そもそも食べていくために働くのだとか、学校を卒業したら社会に出て働くのが当然とか、お金を多く稼いだり、高い肩書のある人を尊敬したりだとか、お客様は神様ですとか・・・。一方ではそういったことから逸脱するとして、稼げなかったり引きこもったり昼間からブラブラしていたり家族がいなかったりするから社会人失格だ、なんていうドグマがあるせいでみんな息苦しくなってしまいます。

 そんながんじがらめの状態から少しずつでも真実のためにのみ、そして霊的自我の表現のために、働き助け合う生き方にシフトしていく。これこそが真の働き方改革につながります。