霊的真理の働き人は何を目当てに誰を対象に働けばいいでしょう。本当は喜んでいいことではないのですが、少なくとも働きがいがなくなることは当面ありません。仕事の対象である、「手を差し伸べるべき人」がまだまだ大勢だからです。

 霊的真理の仕事とは、そのような人に「真の自我に目覚め、それまでに欠けていた確信を見出し、全人類にとって等しく心の拠り所となるべき、永遠の霊的真理への覚醒をもたらしてあげる」ことです。逆に言えば真の自我を知らず確信も持てず永遠の真理があるということに気づいていない人々が仕事の対象となります。そのような人に真理を手渡すことが出来れば、「自分がこの広い宇宙において決して一人ぼっちでないこと、見捨てられ忘れ去られた存在ではないこと、無限なる愛の手が常に差し伸べられており、今まさに自分がその愛に触れたのだということを自覚し、そして理解します。人生は生きがいのあるものだということを、今一度改めて確信します。」これは本当に素晴らしいことであり、どんな宝物よりも永続的で奥深い喜びであるに違いありません。霊的真理の仕事とはそのような最高の恵みを人々にもたらす仕事といえるのです。

 ただむずかしいのは本当はものすごく需要があるはずなのに、この霊的宝が必需品であると気づく人が少ないということです。心のドアを閉ざす人(閉ざしていると気づいてさえいない人)にむりやり押し入って真理を押し付けゆすり入れるわけにもいきません。

 そんな時は手を差し伸べるというよりも背中で語るというのがいいようです。真の必需品が手つかずに残されたままですよ、とご自身で気づいてもらうのです。

「かくして各自がそれぞれの道において、温かき愛と、悠然たる自信と、確固たる信念をもって生き、道を見失った人々があなたがたを見て、光明への道はきっとあるのだと感じ取ってくれるような、そういう生き方をなさってください。それも人のために役立つということです。」

 やっぱり、いつも笑顔で感謝、人のため。これですね。(「シルバーバーチ愛の力」182−184頁)