改めて強調するまでもなく、人体、そして人体を構成する細胞のしくみはすごく精巧です。彼らはその働きによって維持している人の意思とは直接関係なく、自律的に生きています。
 私を構成する一つ一つの細胞に注目するとしたら、その辺りの土中で暮らす微生物と、生物として本質的にはあまり違いがないように感じるのですが・・・。
 そう考えると、60兆もの細胞が集まって、互いに関連し助け合いながら、(結果として)「私」を維持し健康を守ってくれていることは、「ありがたい」こと以外の何物でもない、と思うのです。
そんな私にとって大切な生涯のパートナーである体を、自分の思い通りになると乱暴に扱うとしたらもってのほかです。
 「お大事に」という言葉がありますが、それは本当は、体や細胞にしっかり敬意を払いましょう、ということだと思うのです。
 
 自分にとって一番身近なはずの身体でさえ、本当は自分のものなどではなく、この地上にあってお借りしているものに過ぎないのです。ましてや家や財産や地位や家族など、ふだん「自分のもの」と思い込んでいるものはことごとく借り物であり、ご縁があって私が管理し、守ったり役割を果たすべきものとして委ねられている、と考えるべきでしょう。
 
 私たちは「自分のもの」と思い込んでいる物をもう一度見直し、それに「依存する心」があるなら改め、敬意と感謝をもって接していくようにすべきだと思うのです。

                                        takao