2016年の熊本地震で大きな被害を受けた熊本城。県民の悲願だった大天守は、いち早く往時の雄姿を取り戻した。

 

 

僕は坪井川の向こうに伸びる長塀を右手に見ながら、南口券売所へ。熊本市電1日乗車券提示で800円→640円。

 

 

城内に足を踏み入れて、僕は地震被害の大きさを目の当たりにした。崩れた石垣はコンクリートで応急修理したまま。

 

 

見学路も鉄パイプで組み立てた特別通路だ。エレベーターが付いているから、急坂を登らないでいいのは歓迎だが…。

 

二様の石垣も見どころの一つ。傾斜の緩やかな石垣に新しい石垣を継ぎ足したもの。新しい石垣は地震で沈下している。

 

 

大天守は本丸御殿大広間下の「くらがり通路」を通って進む。身長17cmの僕は腰をかがめないと、頭を梁にぶつけそう。

 

 

本丸への敵の侵入を遅らせる工夫なのか。兜をかぶり、長い槍や鉄砲を持っていたら、侵攻に難儀しそうだ。

 

 

南口券売所から約15分、ようやく大天守広場にたどり着いた。さあ殿様になった気分で大天守てっぺんをめざそう。

 

 

エレベーターはあるが、健脚の僕はB1から6Fへえっちらおっちら。着膨れしていたので、背中は背でびっしょり。

 

殿様は自力で上がったのかなあ。小姓たちに抱えられて? いや、体躯の優れたお付きの人におんぶされていた?

 

 

宇土櫓や本丸御殿は見学できない。熊本城全体の完全復旧には、まだ20年かかるとか。僕は募金箱に寸志を入れた。

 

 

熊本城>1607年、加藤清正が築城。西南戦争直前の火災で焼失。1960年に鉄骨鉄筋コンクリートで再建。熊本地震では重文13棟や石垣の3割が被害を受けた。大天守は2021年3月に復旧した。