名古屋城のシンボルと言えば、天守閣を飾る金の鯱。1612年、尾張徳川家の権威を誇示するために設置された。
重さはどのくらいなんだろう。僕は足軽姿で笑顔を振りまく女性に声を掛けた(武将姿の男性はシカト)。
「北鯱が1272㎏、南鯱は1215㎏ですよ」。遠目めだから小さく見えるけど、僕の体重の30倍もあるんだ。
使われているのは18金。それぞれ44・69㎏、43・39㎏。時価にすると、いくらになるんだろう。
1g=1万円とすると、2体で8・8億円だよ。すごい! 泥棒さんに盗まれないか、心配だなあ。
「金鯱、雌雄男女があるのをご存知でしたか」。足軽女性によると、強い北風を受けとめ雌を守る北鯱が雄とか。
「大阪城にも金鯱ありますよね」。僕は意地悪な質問をぶつけた。「あちらは金メッキですから」。
胸を張り、語気を強めた足軽女性。豊臣秀吉と徳川家康の怨念、今も強く残っているのだろうか。
※写真は2人とも本人の許可を取っています。