広東人の食欲は世界一とか。
「飛ぶ物は飛行機以外、四つ足は机と椅子以外なんでも食べる」と言われる。
しかし胃袋のタフさではハノイっ子も負けてはいない。
山羊、兎は珍しくはない。
犬、蛇、虫、蛙は日本人だとためらう人も多いだろう。
しかしハノイ旧市街には専門店がいくつもあり、繁盛しているのも事実だ。
山羊肉は‟陸のハロン湾„タムコックで食べた。
もう一つ何か食べよう。僕はMa May St.(マーマイ通り)の「NewDay」へ。
レストランとクアンコム・ビンザン(ベトナム式大衆食堂)を併設、外国人にも人気だ。
僕はレストランの側へ。英語メニューをめくり、目当てのものを見つけた。
女性スタッフを呼び、メニューを指でさす。慌てふためくスタッフ。
「これは●●●ですよ」と念を押す。
たぶん僕がほかのものと勘違いしたと思ったのだろう。
僕は冷静に「●●●でしょ。これでOKです」。お目当てのものは約10分で登場した。
グラグラぐつぐつ、鉄鍋で香味野菜とともに煮込まれている。
僕はお肉1本つまみ、口に運んだ。
全く臭みは感じない。鶏ささ身のような食感。身が締まり弾力もある。
カレー風味でとろみのついたスープ。白いご飯との相性はいい。
これはカエル肉の煮込み。
田んぼでピョンピョン跳ねる、あのカエルちゃんだ。
ごはんがセットで8万ドン(480円)。
豚肉や牛肉の煮込みは7万ドンだから、カエル肉は高級品。
しかし脚の形がリアル過ぎる。だから想像力が豊かな人には不向きだろう。
ベトナム郷土食の奥深さを噛み締めながら、1本残らず食べ尽くした。★★★☆☆
<クアンコム・ビンザン>ベトナム版大衆食堂。入口近くにおかずがはいったトレーやボウルがずらりと並ぶ。食べたいものを指でさせば、おばちゃんが小皿に取ってくれる。おかず3品、スープ、ご飯で3~4万ドン(180~240円)とお手軽だ。