日本にいるとき、僕は朝食を食べない。
目覚しのブラックコーヒー1杯でハッピーな気分になれる。
しかし海外に出ると、朝食がとっても楽しみになるから不思議だ。
マイホテル、「オーラック2」は100室ほどの中規模ホテル。
朝食は金~火曜日はビュッフェスタイルだが、
水・木曜日はアラカルトスタイルになる。
週半ばは宿泊客が少ないからだ。
アラカルトといってもセットメニューではなく、日本で言うところのオーダーバイキング。
お気に入りのものは何回でもお代わり出来る。
レストランはグランドフロアにある、
日本式に言うと1階だが、こちらの1階は2階にある
だから僕の部屋424号室は5階なのだ。
ホーチミン到着の翌朝、僕は一人でレストランへ(Fちゃんとは、この夜に合流)。
入口でカードキーを提示すると、担当者が宿泊客リストと照合する。
その担当者がアオザイ姿のキウちゃんだった。
「シンチャオ、おはよう」。
僕はベトナム語と日本語で彼女に挨拶する。
「シンチャオ、サンキューサー」。あどけない笑顔が返ってきた。
挨拶くらいは、その国の言葉で。
僕が自らに課している外国旅のルールだ。
「シンチャオ」の一言で、2人の距離は大きく縮まった。
翌朝のレストラン、僕がカードキーを出そうとすると、
「いいのよ。あなたのことは覚えちゃったから」。はにかむキウちゃん。
そして着かず離れず、あれこれと僕(達)の面倒を見てくれるようになった。
フランスパンを食べていると「ジャム持って来ましょうか?」
「コーヒーのお代わりはいかが」「フレッシュフルーツも美味しいわよ」。
そのたびに僕は「カムオン」。ベトナム語で「ありがとう」と微笑み返しを忘れない。
レストランの一角にショーキッチンがあり、
焼き立ての卵料理と温かいフォーが食べられる。
2人のシェフ(おじさんとおにいさん)が腕を振るっている。
僕は「フライドエッグ(目玉焼き)」が大好きだ。
しかし生に近い半熟は苦手(もちろん生卵も)。そこで「ターンオーバー、ハードでね」。
お腹のでっかい、おじさんシェフに注文をつける。
ターンオーバーは、文字通り卵を裏返して両面を焼く方法。
まんべんなく火が通るが、両面に焼け跡が付くので見た目は美しくない。
日本でおなじみの片面焼きは「サニーサイドアップ」だ。
フライドエッグもスクランブルエッグも卵2個がデフォルト。
しかし小食の僕に卵二つは多すぎる。そこで僕は「卵は1個でね」と念を押す。
美味しい朝食でエネルギーチャージ。僕は酷暑の街に飛び出した。
★気まぐれホーチミン・クイズ第12回
これはオーダーバイキングの時のメニュー表です。
パンケーキかと思い「STUFFED PANCAKE」を注文したら、
予想外のものが運ばれてきました。それは何でしょう?