街に繰り出した僕を歓迎してくれたのはオートバイの大洪水だった。
公共輸送機関の整備が遅れているラオス。
薄手の風通しのいいものならともかく、かなり厚手の長そで。
狭い道路、渋滞する車の列を縫うように右往左往。
歩道を突っ走る若い男性もいる。
公共輸送機関の整備が遅れているラオス。
マイカーは高値の花。平均年収が1500ドルの庶民には全く手が届かない。
だからオートバイ。オートバイは生活の足なのだ。
臆病な僕から見ると、ビエンチャンのオートバイは危険がいっぱい。
2人乗りが多いし、子どもを乗せた3人乗りもぽつんぽつん。
ヘルメットはかぶったりかぶらなかったり。
後部座席の女性は横座り。
民族衣装の巻きスカートだから、またがっては乗れないのだろう。
もし急ブレーキをかけると、座席から投げ出されそう。
しばらく観察していて、僕は不思議なことに気づいた。
冬とはいえ、日中のビエンチャンは30度を超える暑さだ。
それでもドライバーが長袖の服を着ているのだ。
薄手の風通しのいいものならともかく、かなり厚手の長そで。
さらにジャンパーやジャケットを前後逆に羽織っている女性たちもいる。
暑がりの僕は、半そでTシャツ1枚だけだ。
その疑問をホテルのスタッフにぶつけた。
「ラオスでは白い肌と長い黒髪が美人の条件。だから日焼けを嫌うのです」。
疑問は解けたが、全身汗だらけの美女は嫌だなあ。