耐震診断の仕事を始めて27年。来年で62歳。勤め人なら定年退職の年齢になりますが、いまだに現役で屋根裏や床下に入って耐震調査をしています。
会社のスタッフに任せてもいいのですが、どうしても自分で調べないと気が済まないのです。
その理由を一言で表すと『経験からの直感』になります。
耐震の調査は機械で計測したり図面のデータで行うものではなく、ちょっと気障な言い方をすると建物との会話なのです。
会話なんて出来るわけないと思うかもしれませんが、そんなことありません。
この家を建てた大工の性格とか腕とかがちゃんとわかりますし、数字では表せないような家の劣化なども伝わってくるのです。
体力的に厳しい作業なのでいつかは引退になると思いますが、それまでに家と会話できる後継者を育てなければならないと思っています