建築の資格というと建築士を思い浮かべると思います
そして多くの方が1級建築士は信用できるとお考えですが、単純に資格だけで安心&頼りになると判断するのは早計です。
例えば、有名大学の建築科を卒業して大手ゼネコンに就職している1級建築士の多くは、
鉄とコンクリートの建物を手掛けるケースが多いのです。
あるいは、構造や意匠(デザイン)といった専門分野での経験を積んでいる人であったりして、
一般的な住宅である木造建築については知らない人も珍しくありません。
たいがい大きなビルなどの建築の場合は建築士も分業制ですので、それぞれに特異な専門分野があったりします。
木造住宅にお住まいで、誰か相談にのってくれる人を探している場合には、資格という基準だけで選ぶのはどうなのだろう
そんなことをお伝えしたくて文章を書いています。
もちろん、1級でも木造建築に詳しい人もいますから、その点は誤解しないようにお願いします。
私は耐震診断を2000件近く行ってきましたが、
その中には1級建築士の自宅の調査も多くありました。
皆さん、『木造はわからない』とおっしゃいました。
当社の大工
中卒で棟梁に弟子入りして現場一筋35年ですが、建築士の資格はありません。
しかし、経験から既存住宅の構造や施工については経験から得ている豊富な知識があります。
懇意にしている1級建築士の先生と呼ばれる方が、週に何度も当社に来て
大工に『雨漏りしたお客さんだけど、どこからだと思う?』 『この柱を抜いて大広間を作りたいけど、可能だと思う?』
そういった質問をしています。
築30年の家だけど、当時の防湿シートの貼り方はどうだった? と聞けば、
検査のない時代だから、今みたいなしっかりした貼り方はしてないよな と即答してくれます。
その建築士は、中規模のビルやマンションを多く手掛けている方で、最近になって既存住宅のリフォームの相談を受け始めた方です。
ビルの事は詳しいけど、木造はあまり詳しくない。
建築士についてお話ししましたが
建築関係には、民間団体が認定している●●診断士とかいう民間資格がたくさんあります。
資格はテキストを読んで、試験に受かればだれでも取得できます。
認定している民間団体は講習料や受験料やテキスト代のほかに、更新手数料での収益があがればいいのですから、
合格者は多いほうがいいのですね。
これ以上は言いませんが、
資格に惑わされずに、自分の必要な人を見つけてください。
資格があっても無くても、知識と経験が豊富で皆さんにとって信頼できる専門家をお選びください。