前回の投稿で、先日受検した社会保険労務士(社労士)試験のチャレンジと結果についてお伝えさせていただきました。



今回は、そもそも私がなぜ社労士を目指そうと思ったのかについて少しお話ししたいと思います。


 選択理論との出会い

私はいま60歳。多くの企業人たちは定年を迎える年齢です。22歳で社会に出てから38年、私はずっと組織の一員として働いてきました。振り返ってみると、家族や会社の上司、同僚、部下など多くの人に支えられ、とても恵まれた社会人人生だったと思います。


しかし、組織で働いていると、嫌な思いをすることもたくさんあります。社内で意見がぶつかって仕事が思うように進まないこと。力のある人の考えを慮って自分の考えが伝えられないこと。うまくいかない時に周りにその理由を求めて、できない言い訳ばかり考えていること。もしかしたら皆さんにも経験があるかもしれません。


 行動のメカニズム

ではなぜこのようなことが起こるのでしょうか?その答えは、人間がどのように行動を起こしているのかというメカニズムにあります。そしてその行動のメカニズムを理論化、体系化したのが米国の精神科医であるW.グラッサーが提唱する選択理論心理学です。


私がこの心理学を学び始めたのが今から8年前の52歳のとき。ちょうど前職の大手保険グループで部長に昇格したタイミングでした。そこから私の考え方や行動は大きく変わり、仕事でも大きな成果を残すことができ、最終的に役員へと昇格することもできました。選択理論心理学については、別の投稿で改めて紐解いていきます。


 社会への恩返し

今私は前職を離れ、保険の業界団体で役員を務めています。現職の任期は来年6月まで。その後の人生の送り方を考えたときに、この選択理論心理学を広めることで、これまで私がお世話になってきた会社という組織で働く人たちのお役に立ちたいという思いが強くなりました。そのために、日本プロスピーカー協会(JPSA)の一員として全国で選択理論に基づく講演活動をする傍ら、2年前からはチームビルディング、組織マネジメントにフォーカスした企業研修講師としての登壇も増やしています。


しかし、企業で働く人が企業研修を受けたとしてもせいぜい年に1回。年に一回、丸一日の研修を受けたくらいで突然行動が変わるほど人は単純ではありません。やはり現場に入って経営者や経営幹部と一緒に汗を流して組織内での定着を図ることが必要であり、研修講師と並行してそんな仕事をしたいと考えました。そのためにはまず経営者と繋がる必要があり、経営者にアピールするための武器が必要です。その一つの答えが資格でした。


この年齢から取得できて、なおかつ組織マネジメントに役立つ資格は何かと考えた時に出てきたのが社労士です。幸い、JPSAには著名な社労士の方がたくさん活躍されていて、アドバイスをいただくこともできました。そして社労士資格を取得した暁には、自ら事業を立ち上げ、同じように永らく企業で働いてきたJPSAの同志とともに、選択理論に基づく組織マネジメントを世の中に普及していこうと考えるようになったのです。


 大切にする価値観

そのような考えに至った背景には、私が大切にしている価値観(バリュー)とビジョンがあります。私が大切にするバリューは「感謝」「愛」そして「責任」です。


感謝=当たり前のものなど何もない。自らの置かれた環境、出会ったすべての人に感謝する。
=相手の望みを叶えることを自分の望みとする。与える愛に生きる。
責任=目の前で起きていることはすべて自分が源と捉え、周りのせいにせず、自分にできることを考えて行動する。


 目指す未来

そして私が描くビジョンは「組織に関わるすべての人が生き生きと仕事と人生を楽しめる社会の実現」です。仕事を「しなければならない」ではなく、「仕事したくて仕方ない」という人で溢れる組織があちこちにある社会。そんな未来が訪れたら、どんなに素晴らしいことでしょう。


私がいましている選択は、すべてこのバリューとビジョンが基準になっています。社労士を目指したのもこのバリューとビジョンに一貫していると考えてのことです。自分が大切にしているものに一貫しているからこそ、決して面白くない勉強でも最後まで挫折することなく走りきれたのだと思っています。


さて、ここまでなぜ私が社労士を目指したのかについてお話ししてきました。次はこれからどんな人生を送っていきたいかについて、お話ししようと思います。お楽しみに。


 おまけ

追伸:9月3日に3人目の孫が生まれました。予定日は社労士試験の前日の8月24日でしたが、かなりのんびりした子のようで、お母さんのお腹に10日も長居してから出てきました。お母さん、お疲れさまでした^ ^