一難去ってまた一難
一難去ってまた一難 バイクが壊れた。愛車の50CCスーパーカブだ。信仰の早朝参拝を午前7時にしてから、一度塾に寄ろうとしていてチェーンが歯車から滑りだした。塾の近くなって来たら、もうどのギアでも滑り出してどうにもならない。塾まで引いて帰って用事を済ませ、そこから家まで普通は10分程の道のりを、何とか騙し騙し乗って帰った。塾ですぐにバイク屋のHさんに電話をし、家までバイクを取りに来てもらう依頼をした。Hさんは同じ信仰仲間でもあり、バイクの修理をいつでも気軽にやってくれるので頼りにしている。70代だが元気なおじさんだ。昼過ぎに取りに行くと言われ、その日はホテルのバイトが10時からあり、その後塾が5時からある。自転車も長らくパンクしたまま放置していたので、これを直して欲しかったのだが、あいにく鍵が見つからなかった。 ホテルまで20分ほどで歩いて行き、夕方4時頃また歩いて帰り、嫁に弁当を作ってもらって、(この日はたまたま金曜日だったので嫁が居た。嫁は週休3日制なのだ。)自転車の鍵を見つけたのでその自転車を引きながら塾に向かった。 翌日の土曜日は朝10時までに礼拝所に行かなければならない。嫁は「そんなの行かなければいいじゃん。」と言うが、それは私が責任者で司会もしなければならない会議なのだ。礼拝所までは市内電車とバスで行くと1時間ぐらいはかかる。自転車なら30分で行ける。午後1時から塾もあるので、何とか自転車が欲しかった。 塾へ自転車を引きながら、近くの自転車屋を思い浮かべたが、それでも直ぐに直るかどうかわからない。やはりHさんが頭に浮かんだ。それで歩きながらHさんに電話をした。すると「塾に代車を置いて行ってあげるからそれを使え。但しママチャリやで。」と言うのである。しかも自転車は塾に取りに来てくれる。(Hさんの店は塾の方が近かった。)自転車にも代車があるのだ。 助かった。私はそのママチャリで勇気百倍、次の日は礼拝所に早朝参拝から25分でぶっ飛ばし、(ママチャリは相当足を速く動かさなければスピードが出ない。)一旦帰って、また10時の会議に礼拝所に向かい、帰って(さすがにこの頃にはもうスピードを出せる体力は残っていなかった)、昼食後塾に向かった。 バイクの部品は1日で届き、その日の昼すぎにはバイクは直って家に届けられていた。 ところがここでもう一つ問題があった。バイクの修理代である。チェーンとチェーンを回すギアを取り換えたので、その代金が2万2千円程してしまい、しかもその前にパンクで後ろのタイヤごと交換していたので、その修理代9千円もまだ払っていなかった。合わせて3万円程の修理代を払わなければならない。そんなお金はどこにもなかった。いつも世話になっているHさんにあまり迷惑をかける訳に行かないし、どうしよう、分割で月5千円ずつにしてもらおうか、等と考えている内に、一応嫁にはバイク代がいくらかかったということだけは言ってあった。 すると嫁が、2月28日までにマイナンバーカードの紐付けをするとポイントが2万点もらえるので、その点を嫁のカードに付けてくれたら2万円あげると言うのである。 日曜日は2月26日であった。この日しかない。後は忙しくて時間がない。新聞配達とホテルと信仰のご奉仕などでいつも睡眠不足の私は、その午後ゆっくりと休んでから、夕食後8時頃からマイナンバーカード紐付けを開始した。嫁も自分のスマホで同時にやっていたが、すぐにわからない、誰か教えて、と叫んで止めてしまった。私も最初行き詰まっていたが、何とか一カ所をクリアーすると後はするすると進み、クレジットカードと、健康保険証と、政府の払い込み口座の3つのヒモ付けができた。 すると嫁が自分のもして、と言うから、同じスマホでいいのかと言うと、いいと言う。それで嫁の分も同様に直ぐにできた…。 翌日の朝机の上に、「バイク修理代」と書いた2万円の入った封筒が置いてあった。 次の日信仰の仲間に「神様のお陰だ」とこの話を話すと、「いい嫁を持ったね。」と言われた。