コメントのお返事が追いつかなくてごめんなさい。
全て嬉しく読んでいます。
断定的に言えることは少ない
最近、疾患の種類を問わず
どんどん研究が進んでいるのが、
「腸内細菌叢」の話です。
腸と直接関連する
消化器系の病気以外でも、
腸内細菌が変化することが分かってきています。
自閉スペクトラムの人と
定型発達の人だと
腸の細菌組成の平均は違います。
これを聞くと、
『では、乳酸菌の飲み物や
ヨーグルトを沢山食べたら、
自閉スペクトラムが治る?』
という連想をしてしまうかもしれませんが、
正直に言って現状は
そこまでは言えません。
腸内細菌は、
口から入れる食べ物だけでなく、
体質や生活習慣、運動量、睡眠時間など
日々の生活のあらゆる刺激で変化するから。
生活の極一部だけを変えても、
腸内細菌叢の組成は
変わらないことが多いからです。
現状、
「凄く健康的な生活が出来たら、
自閉スペクトラムの症状は良くなるし、
その効果の理由の一つは
腸内細菌叢が良い状態に変わること」
は多分真実。
一方で、
「腸内細菌叢を良くする生活をしたら、
自閉スペクトラムが良くなる」
は嘘。
分かっているのは
『〇〇をしたら、
(沢山いる善玉菌の内、極一部の種類の)
(増える人も減る人もいるが平均で考えると)
腸内細菌の組成が良くなる』
という行動が幾つかくらいで、
「狙ったように腸内細菌叢のバランスを
変化させる」方法は、
まだ分かっているとは言えないからです。
医師をしていると分かりますが、
医学の進み方は一方向に
どんどん進む訳ではないです。
ある論文で特定の病気に
効果があるとされた物質が、
別の論文では
効果がない・悪化させる結果に
なることすらあります。
なので、実は断定的に言えることは
少ないのですが、
次に腸内細菌がデマに
利用されそうなので記事にしました。

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