授業で、「手紙の書き方」を習ったにっち。

その後、「好きな人に手紙を書く」

授業があって、

私に手紙を書いてくれた長男。

 

形式を練習する為に、

授業で書いた手紙。

 

川に一緒に魚をとりに行った

お礼の手紙。

でも、たった数年前には、

こんな手紙がもらえる日は、

想像出来なかった。

 

幼稚園時代は、縦書きも横書きも

文字が並んで文になると中々分からず、

読めずに暴れ回っていた長男。

 

「いつも通り」、「遊び」
漢字=角ばってる
という彼のルールを破る
しんにょうのつく漢字は、
書けるようになるどころか、
見ただけで、癇癪を起こしていた長男。

 

他人にも、体調や感情があると、

中々理解出来なくて、

妻はっはが、

熱を出して寝ている時には、

寝込むはっはに向かって、

「熱とか、にっちには関係ないから、

さっさと、にっちのご飯を作れよ」

と言った長男。

 

横線や、縦線が並ぶと、

区別がつかず、

未だに、少しでも気を抜くと、

ごんべんの横線の数は、

毎回違うし、

「体」と「休」を

書き分けるのに、時間のかかる長男。

 

 

色んな気持ちが溢れて、

喜ぶことも、すぐには出来ず、

「すごいね。ありがとう。」

というのが精一杯だった。

 

 

 

ひらがなや、漢字に関して、

色々試しても、効果を感じることは

ほとんど無かったし、

何度も心が折れる思いをしてきた。

妻と二人で不安で泣いた夜もある。

 

 

 

自分と、父の関係を思い返す。

 

幼稚園時代、父の似顔絵の

キーホルダーを作った。

周りは母の似顔絵が多かった。

お父さん子だったわけじゃなく、

単純に、母より短髪で、描きやすいから。

思いつきで、父の似顔絵にした。

 

完成品を、家に持って帰って、

父に渡した時は、

あまり喜んだ感じはなかった。

でも、その後10年間、割れてしまうまで、

父の車の鍵のキーホルダーは、

私が作った父の似顔絵だった。

 

「恥ずかしいな」くらいに感じていた。

壊れた時は、少し安心したくらいだった。

 

でも、よく考えると、

幼稚園児の工作の脆いキーホルダーが、

普段使いする車の鍵についていて

何で10年も壊れなかったのか。

 

父が、相当に大切にしていたであろうことに、

やっと気づいた。

 

 

にっちからもらった手紙は、

ファイルに挟んで、机に飾っている。

 

ニヤニヤして、

どう保存するのが、

一番長持ちするか調べている。

 

いつか彼に、今日感じた私の嬉しさが、

伝わる日が来るんだろうか。

あの日の父の気持ちが、

やっと今、私にも分かったように。

 

 

 

 






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