ラチェットの執事をしていた男がいた。
「探偵さん・・私は嘘をついていました」
「そうですね・・あなたはかつてアームストロング家で執事をしてましたね」
「はい」
「一人がピンチになれば他の誰かが助ける」
連携したチームプレーでした。そこにはリーダーとなる人物が必要となってきます。
計画を立て実行に移す。冷静にその時々に合わせて判断できる人物です。
「あなたは・・かつてアームストロング家に出入りをしていましたね」
「はい」
あなたは家庭教師でした。
「あの男はくずよ」
死んで当然よ。悲痛な声でいうメアリーだった。
「探偵さん・・彼らには未来がある」
この計画を立てたのは私一人で十分。
「そう彼らは悪人ではない」
ではなんのために殺人をおかしたのか。理由は一つしかありません。
「今もなお・・悪夢に苦しんでいるナタリーのためだ」
夜も眠れない。バルビタールに頼るご夫人を救うため。
「たった一人の男のせいでこれだけ多くの人の人生を狂わせた」
「私はデイジーと共に死んだのよ」
「だめよ・・奥様」
「そうです」
これは皆で決めたことです。
「探偵さんは正義を見つけるのが仕事でしょう」
正義とはなんです?悪人を裁くこと。
皆が覚悟を決めていた。裁かれるなら皆でと。
しかしポアロはいう。
「私にはあなたがたを裁けない」
こうすることにしましょう。ラチェットは命を狙われていた。あの日・・閉め忘れた扉から犯人が侵入してそしてどこぞへか消えてしまった。
「私はこののち・・この列車を下ります‥そのあとは皆自分の人生を歩めばいい」
ここでこの話は終わりになった。