隊長に事のてんまつを話す。机に用意された品を見る。絵を墨で描けと言われた。
「どのような絵ですか?」
「そうね」
ウンスは隊長にチマチョゴリをきた小さな「たぶん・・6歳ぐらい」だと話す。女の子の特徴をつげていく。
小さく丸い瞳が特徴的だとつげる。
ヨンがウンスにいわれるがまま絵を墨で描く。
「そう・・あなた‥絵も上手なのね」
一枚の紙に描かれた幼い幽霊はまさにそのような感じだった。
「それで・・どうなさるおつもりですか?」
絵など描かせて。まさかさがすつもりか?しかし幽霊ならばすでにこの世にいないはずではないだろうか?不思議なことを考える人だ。
次は女官の視点。
話しをした日の夜のこと。うーんと寝ているのだがうなされていた。ひどい汗をかいている。
「こっち・こっちよ」
小さな影だった。それがやがて人の姿に変わる。気が付くとナラは草原に立っていた。自分のすぐ近くに声が聞こえてきた。
足元に目を向けると女の子だった。
「きゃぁ」
悲鳴を上げて飛び起きる。同じ部屋で寝ていた子も起きた。それほどの声を張り上げたのだ。
「何事?」
「夢をみたの・・小さな女の子が手を振っていたの」
といいながらそこにいた子に抱き着く。
「寝ぼけたのね‥明日もはやいんだから」
かんべんしてよと別の子に言われた。
「ごめんね」
とりあえず謝っておいた。でも布団にもぐりこんでも夢のことがきになり眠れなくなっていた。
「なんでもいいの・・話すだけでもきがまぎれることもあるのだから話してごらんなさい」
昼間イセンさまがそういっていたことを思い出した。