はじまりはここから。

とある屋敷の外・庭の片隅で全てを見ていた人物がいた。恐ろしい出来事だった。今まで幸せに暮らしていた家族はばらばらに引きさかれたのだ。

「よくさがせ・・屋敷の使用人から家族全てを引き立てるのだ」

役人の恐ろしい声を震えながら聞いていた。声を出さないように自分の口は両手でふさぎ耐えていた。

 

功「こう」一族の少年はそこに隠れ続けている。この恨みをいつか必ずかえすために。

 

「いたか?」

「これで全員かと」

上官が部下に指示を出している。

 

屋敷の庭に全ての人物を並べていく。使用人と家族は縄で縛られて連行されていった。それでもまだ屋敷の中をあさり続けていた。

「証拠の品は全て持ち出せ」

いつも笑っていた人たちが父が母が姉が引き立てられていく。僕は何もできずに見ているだけだった。

 

「皆が‥一体どんな罪を犯したというのか」

握りしめていた拳を開くと血がにじんでいた。

 

少年の名前は「功・ユル」まだこのとき12歳だった。それでも皆の無念を晴らすために立ち上がる。ありとあらゆる用意をしていったのだ。復讐する相手を探すために一年がかかった。

 

この日をずっとまっていた。自分は女の子になりすまして「ウル」と変えた。13歳。その家がここだった。

自分の家族と使用人を犠牲にして成りあがった家。

 

「欧」一族。けっして許さない。