徳・キム将軍の事件は終わるがかたがついたわけではない。
ここは王様よりいただいた離宮。誰も使ってないのでそうして欲しいと言われた。
「おつかれさまでした」
奥様として夫をねぎらうことにした。着替えるというので鎧を脱ぐのを手伝う。部屋で着る衣に着替えていく。
「ああ」
二人でご飯の用意をしているときになっていたので聞いてみることにした。
野菜を細かくきざんでいく。料理を作るのも楽しい。
「私は何回毒をもられましたか?」
その言葉にヨンが握っていた包丁の動きが止まる。
「それを‥知ってどうするのですか?」
動揺しないようにヨンがまた野菜をきっていく。
「その毒のせいで妊娠できないのだとしたら」
「だったら・・どうするというのですか?」
肩をつかまれた。その肩に置かれた大きな手に自分の手を重ねた。
私は私にできることをします。王妃様のためにも。
「そうですか?」
けっして無理はしてはいけません。これだけは忘れないで。
「離縁はいたしません」
「はい」
それから仲良くご飯を食べて風呂に入る。一緒に入りお互いの背中を流し合って夫婦らしいことをして過ごした。
夜はもちろん共に寝室に入っていった。
同じ布団に横になり生まれたままの姿で抱き合う。
「そうですね」
毒は三種類になります。心苦し気にいう。
からん・薬のビン。
「ねぇ‥あなたの部屋に入った時にこれをみつけたわ」
くすくすと楽し気に笑う声。薬と花って一緒に入れて平気なの?と相手をからかうのだ。
それは一凛の黄色の小菊だった。