リンがちょうどよくやってきた。ウンスに逢いにやってきたところだった。

「邪魔」

目の前に立っている通行の邪魔をしているちびをリンはつまみあげてやった。ちびはばたばた暴れだす。

「はなしなさい」

ぶれいものと一丁前にちびが叫んでいる。

「わたしは・・てほぐんさまのいいなずけになるんだから」

リンはぶら下げたままのちびすけを睨みつけた。

 

「はぁ?なにを言いだすの」

だいたいあんた・・いくつよ。と感情をこめずに問いかけ続けている。

 

その間にヨンは屋敷の中に引き返していった。めんどうくさくなったらしい。

 

「わたしは・・七歳よ」

大人なんだから。許嫁だって持てる年ごろだって父上が話していたわよ。面倒になったので地面に下ろした。

「あっそう・・でもね・・そういうことは父上にいうものよ」

我が屋敷には関係ないと突き放すようにいう。最後にとどめを刺した。くぎを刺したともいう。

「お屋敷に帰りなさい・・送っていきましょうか?お嬢ちゃん」

バカにした。甘やかしてはいけない。

 

こういうちびにはとくに。

 

「どうして・・あんたはここにいるの」

そんなことあんたに関係ある?氷のほほ笑みを本気で向けてやった。ひっとちびはやっとリンの恐ろしさを知った。

「てほぐんさまには妻がいるってきいた」

それって・・あんたのこと?だったらわたしがあんたなんてすぐに追い出してやるんだから。

ぎゃんぎゃんと泣きながら吠えまくる。

「うるさいね」

七歳のちびを今度こそ外にほうりだした。

 

「扉に閂をして」

はい・・承知いたしました。使用人が答えた。

 

リンが奥に入っていった。