こちらは名前はふせさせていただきますね。ささやかですがお礼の小さな話。

 

動物がお好きだと以前お聞きしたところぜひ書かせていただきたいなと思いそうさせていただきました。

犬の種類はポメラニアン・女の子・名前はメルとしたしましょう。

 

チェヨンとウンスが暮らしている屋敷でのこと。その子犬は頭のいい子だった。自分がこのなふうに薄汚れていれば人にみつけることもない。

「ふん・・人のなかでいきていくための手段よね」

地面にうずくまり雨や風さえしのげれば生きていける。食べるものはそのへんにあるものを盗んだりもしていた。水もくんくんと鼻で綺麗な水を選んで口にしていた。

 

「こうしてやってきたの」

私に不可能はないわ。でもこの家はよその家と違い温かい雰囲気があった。地面からのそのそはいでて顔をのぞかせてみた。

人に見つからないように気を付けていたの。

 

その日ばかりは屋敷の女中に見つかった。悲鳴を上げて私を追い出そうとしてくるので慌てて逃げ出した。

人によっては乱暴なこともされるからだ。

 

「ここは住み心地がよかったのに」

どこへいこうか?私はこの黒い毛並みのまま茂みの中にもぐりこんだ。別の寝床に移動しないと。主に見つかれば何をされるか。

こうして生きてきたんだもの私は平気よ。

 

とぼとぼ歩いていると黒い犬なんて皆が嫌そうに私を蹴ってくるのよ。

気が付くと私は大きな門の前にいた。人の間をすり抜けていく。

沢山の人の声に驚いてあちこちかけていく。

 

「お・・きたない奴だ」

蹴られそうになる。慌てて逃げる。

 

犬か?チェヨンはそれにしても汚い。蹴ろうとするので兵士を止める。片腕に抱え妻の元へ出かけていった。

「イムジャ・・すまない」

声をかけると慌ててやってきた。ケガでもしたのかと。

「そうではない・・こいつ・・見てやってくれないか?」

「ふえ?」

珍しいことがあるものだという顔をしていた。腕の中にいる黒い塊を取り出して見せた。

「まぁ・・大変」