歴代のウダルチ隊長のみが知る隠れ場所。
「あいつは知らないの?」
「しらないはずです」
ヨンはとんとんと壁をたたいて指先をさぐっている、
「ここです」
とんと軽くたたき邪魔な棚を動かす。小さいが一つの部屋が現れる。
「すごい」
寝台も机も明かりも存在する。窓はない。秘密の小部屋なのだ。
「食事は?」
「食べてない」
あいつと豪華な食事なんて食べる気がしないもの。酒も飲んでないのと唇をとがらせている。
くすりと笑うヨンがいた。
「こちらに用意します」
しばしおまちくださいといい去っていく。
本当にすぐに戻る。菓子と握り飯と酒まであった。
「それではイムジャは一日何も食べてなかったんですか?」
もぐもぐ。酒を一口飲んだ。だって毒なんてしこまれていたら嫌じゃないの。
確かに。叔母さまがお菓子を用意してくれたのを食べたけど。
嬉しそうにほおばるウンスがいた。夜も寝てないのだ。
「俺がここにいます」
安心してお休みください。うんというと寝台に横になったウンスはすぐに眠りにはいる。
俺が来る前はどうやって過ごしていたのか。
椅子もないのでヨンはすぐそばに座ることにした。
「よく寝ている」